エピローグ
「それからどうなったの?」
「さあな・・・最後の・・・100人目の勇者と別れた後・・・儂はかなり無理をしていたのだろう・・・機能を停止した。
で、気が付いたら此処へ座らされていた・・・。
動くことも喋ることもかなわず、此処で長い時を過ごした。」
「そうなんだ・・・」
「ようやく喋れるだけの力を取り戻したところで、お前さんが現れたと言うわけだ。
で、帰り道だったな?」
「え?・・・ここから動いてないのでしょ、分かるの?」
「儂を誰だと思っている、魔王様に作られた人形ぞ。
分からない事など無い、と言いたいところだが・・・長い間、ここで通りかかる人の話を見聞きしておれば、其の位の事など分かってくる。」
そして「まあ、ここは古き町故、それほど変わっておるまいて」と付け足した。
ダナンは聞いた道の方に駆け出した。
「バイバイ、またくるね~。」
「またくるねー、か。もう会うことは無かろう。儂の寿命はとうにつきておる。心残りだった魔王様の事も伝えた。後はあの坊主しだいか・・・」
そこまでつぶやくと、残っていた右目を閉じ、倒れるように崩れていった・・・
ダナンは裏通りで、林檎売りの露店の前をキョロキョロしながら、通り過ぎようとした。
「坊主、迷子か?」と林檎売りの親父が話しかけてきた。恰幅のいい年配の男だった。
「ええ、大通りまで出たいのですが」
「それなら、その路地を抜けたらすぐそこだ。」
「ありがとうございます」と礼を言いそちらに向かおうとすると、大きくおなかが鳴った。
「坊主、腹が減っているのか。ならこれを持っていけ。」と優しそうな豚っ鼻の親父が、笑顔で林檎を投げてきた。
「あ、ありがとうございます。でも良いのですか?」
「いいって事よ。気にすんな。」
ダナンは再び礼を言い、林檎をかじりながらその路地を歩いて行った。
後の大歴史研究家「ダナン・アルノルド」はその著書にこう書いている。
「はるか昔、人間により、しりたげられ、狩られていた魔物たち。
”優しき知恵の有る魔人”が、魔物たちを助けるために力と知恵を与え、強くした。
その魔人は"魔王"と呼ばれるようになった。
そのうち、増長した魔物たちが、無駄に人々を襲いだした。
このままでは人が滅びるのではないかと考えた魔王は、人を助けることにした。
しかし、直接人を助けるわけにいかない魔王は"人形"を作り、人々を影から助けることにした。」と・・・
様々な職業の”勇者”の話を書こうとしたけど、うまく書けなかった・・・( ノД`)シクシク…
上手く書けたら、続きを投稿・・・