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プロローグ

初執筆、初投稿なので、見苦しい点も多いかもしれません。

また遅筆で、不定期更新になると思いますので、それでもよかったら読んでください。

 その切り立った山頂は,人の手によって作られた城にしか見えない。

その「魔王の城」と呼ばれる頂を持つ「アルムド山」

その頂は難攻不落の処女峰として、世界各地から登山家を呼び寄せていた。

 そしてその山のふもとの町「アルム」

その街は、登山の起点として、また世界有数の観光地として多くの人々を呼び寄せていた。





 その少年は初めて来たアルムの町で、はぐれた登山家の父を探して細い路地を歩いていた。

その路地は、昼というのに薄暗く、不気味に見えた。


どの位歩いただろう、その少年はその路地の先で、古びた小さな古道具屋を見つけた。

少年は道を聞こうと思いその店を覗いた。


「あのぉ、ごめんください。」


返事はなかった。

そこには人は誰もいず、雑多なガラクタのように見える古道具と、等身大の古びた人形が有っただけだった。


「誰かいませんか?」


少年は再度声をかけたが返事は無かった。

あきらめた少年は店を背に歩きかけたその時、「ほぉ、ここに人が来るとは珍しいのぉ。」と、後ろから聞こえた様な気がした。

少年は慌てて後ろを振り返るが、そこには誰もいず、店はそのままだった。


「どこにいますか?」


少年は尋ねたが、返事は無かった。

聞き違いかと思い、歩き始めたとき、「ここじゃ、ここじゃ、こっちにこい。」と、今度ははっきりと聞こえた。


少年は店に入り「どこですか?」と、聞いた。


「こっちじゃ。」と、人形の方で声が聞こえた。

少年は人形の前まで行ったが、誰もいなかった。

その人形は、少年の様であり、また年寄りの様にも見えた。いや、そもそも男にも女にも見える。


「変だな、この辺で声がしたんだけどな?」と、つぶやいた少年の前で、その人形が口を開けた。

「儂じゃ、儂じゃ。」

少年は驚いて転びそうになったが、何とか耐えた。


「驚かしたようじゃの?」


「いえ、人形がしゃべるなんて。」


「すまんかったの、坊主。ここに人が来るなど久方ぶりなのでな。」と、少し浮かれたような口調で話しかけてきた。

少年は、人と顔を合わせたくない店主が、店の奥で魔法か魔道具でも使い、この人形を操り話しかけてきているのだろうと思い、普通に話すことにした。


「あなたは?」


「わしか? わしは、今まで色々な名前で呼ばれて来たがの、今はただの人形じゃ。で、ここに何の用じゃ?」


「ぼくはダナンと言います。この町は初めて来たのですが一緒に来た父とはぐれ、探しているうちにここへ来ました。」


ダナンは人形を見ながら、これまでの経緯を説明した。


「そうか…ならば、そこに有る鏡を見るが良い。」


言われて覗いたその鏡には、ダナンを探しているだろう父の姿が有った。しかし、動いていない。


「これは・・・写真のようなものですか?しかし、いったい何時の間に?」


疑問に思い聞いたが、「そうではない、これは今の時間を写しだしているのじゃ。そして、ここは時間の狭間。儂らから見れば、ここ以外はどこも動いてはいない。」


「儂には何も見えないがな」と小さくつぶやいた声は、ダナンには聞こえなかった。


さらに続けて言った。


「少し、儂の昔話に付き合えば、大通りまでの道順ぐらい教えてやろう。大通り迄出ればどうとでもなるだろう、どうだ?」


ダナンは少し考えて、不思議な人形の話を聞くことにした。


それは遠い昔に失われた魔王と勇者たちの物語だった・・・

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