普通の生活
私は、ごく普通の高校2年生。
普通の家庭で育って、生活して、ごく普通の学校生活を送っている。
今日は、12月25日クリスマスだ。
お父さんとお母さんにプレゼントを渡すため、今はショッピング中だ。
それも、1人寂しく…。
「ハァ。クリスマスなのに1人だなんて、寂しいなぁ~。友達の半分以上は彼氏いるのに。」
私のクラスでは最近、彼氏・彼女もちで、独り身の私は、とっても寂しい。
「あっ佐奈やん!何しとんのん?」
「あっ雷。お父さんとお母さんにあげるプレゼントを選んでるの。雷は?」
「うち?うちは、んー彼氏とデートって言った方がいいんかね?」
「そうなんだ~。雷もデートかぁ。布置屋君元気?」
「バリバリ。ほな、うちもういかなあかん。ほんじゃまた。」
「うん。バイバイ。」
私の親友の雷も彼氏もち。
雷と彼氏の布置屋君は、学校は違うけど、家がお隣どうし。
それで、どんどん仲良くなっていって付き合う事になったんだって。
うらやましい。
私も、少女マンガみたいにベタな恋愛してみたいなぁ。
まっ、無理だろうけど。
私は、買い物を終え、少し時間に余裕があったから、お気に入りの場所へと向かった。
人が全然来ない場所。
〈空広場〉って私が勝手に命名。
誰も知らない。
もちろん、親友の雷もだ。
私だけの場所、私しか知らない特別な場所。
空を見上げると星がでて、雪が降ってきた。
もし…もし、願いが叶うなら…。
「次のクリスマスにここで好きな人と一緒に雪が見れますように…。」
私は強く祈った。
この時、私の中で何かが変わったような気分になった。
でも、それは違った。
1月・2月・3月と月日は流れ、あっという間に3年に進級していた。
「授業を始める前にみんなに紹介しよう。転入生の…。」
「黒谷青矢です。」
『キャー!!カッコイイ!』
うるさいなぁ。
たかが男の転入生じゃん。
「はい。うるさい女子はほっておいてっと。席は、一番後ろで窓側から2番目の席はだ。」
「はい。」
「みんな仲良くするようにっ!」
『はぁい。』
「それじゃ、授業を始める。」
私は、窓のすぐ近くの席だから、授業の合間などに空を眺めている。
今日の空は、すごく澄んでいて、すごく…
「綺麗だ。」
「えっ!」
「空が澄んでいて。」
「そうだね。」
ビックリした。
心を読まれたかと思った。
にしても、この人、すっごっく近いんだけど…。「そうなんだ~。雷もデートかぁ。布置屋君元気?」
「バリバリ。