異世界転生、しちゃいました
私は黒音叶から、カナエ・ノワールとして、異世界転生をすることになった。
艶々でサラサラな黒髪、ぱっちり二重の瞳、ふっくらとした血色感のある唇。
白いワイシャツ、赤のベスト。
黒くピシッとしたブレザーには、金と黒、赤を基調としたエンブレム。
胸元には、大きくふんわりとした可愛らしい赤いチェック柄のリボン。
レースがあしらわれた黒味を帯びた赤いチェック柄のスカート。
黒タイツを履き、足元には、茶色のヒールが2センチ位のローファー。
理想の姿で転生をした私は、取り敢えずこの世界を知ることにした。
「サポポン、この世界について教えて」
「分かりました!」
ポンッと現れたのは、可愛らしい黒猫の姿をしたサポートAI、サポポン。
「この世界は『自然世界』と呼ばれる惑星です!主様が今居るこの国は『クリティア王国』と言うのです!」
「へぇ〜」
くるりと宙で回転するサポポン。
「主様は何をしたいのですか?」
ジッと無垢な蜂蜜色の双眸が私を見つめる。
(言えない…まさか、逆ハーレムを作りたいだなんて、言える空気じゃない……!!)
「そ、そうね…取り敢えず、この世界をある程度知ってから考えるわ」
そんな苦しい言い訳を述べ、私は王都らしき地へと足を踏み出した。