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出会い

俺の名前は、天宮 雄也、高校の教師だ。

教師が夢だったわけではない。

高校の教師になって、もう5年・・・夏休みなのに、学校の部活顧問の為、学校に駆り出されている。

文学部の顧問をしているが、夏休みに部活動をする羽目になるとは思いもしなかった。


「天宮先生、お疲れ様~」


「天ちゃん、おつ~」


「あ~お疲れ」


意外と生徒には好かれているのだが、異性と付き合ったことが無い。

女性との経験がないわけではないのだが。

仕事も終わり戸締り確認し、正門を施錠する。

家に帰る為、駅に、向かう。

1番線ホームに向かう時、内ポケットに入っていた携帯が鳴る。

(トゥルルル♪♪♪)

(トゥルルル♪♪♪)

表示を見ると高校以来の腐れ縁、正明から、誘いの連絡だ。

「今日、妻と子供は旅行に行ってるから、少し、飲みに付き合えよ。雄也だって、一人の家に帰るより、俺と居たほうがいいだろう。一人で飲んでも、つまらないし」

「今日、持ち合わせ少ないぞ、給料日前だし」

「平気平気、女の子のいる店なんか、結婚してから行ってねからよ。オコズカイ少ないし」

「明日は、仕事じゃないのか?」

「有給休暇取れってさ」

「俺は、部活動あるから、遅くまでは付き合いきれんぞ」

「それでもいいから」

「じゃあ、いつものところで」

「ああ、わかった」

電話を切る。


駅から5分ほど歩くと町外れの小さな居酒屋に着く。

爺さんと婆さんがやっている、安く飲める居酒屋だ。

ホッとするし、正明と飲むときは、必ずと言っていいほど、この店になる。

お金がない時も、今度来た時でいいよと優しく女将さんは言ってくれるし、親父さんは、これでも食えとまかない料理まで、オマケしてくれる。

「親父さん、お久しぶりです」

「おお、相方来ているぞ」

「雄也、お先に飲んでるぞ」

ビールを片手に、グイグイと旨そうに飲んでいる。

「早かったんだな、親父さん、レモンサワー、濃いめでお願い」

「給料前で、貧乏か?サッサと酔えるように濃いめにしてやるから、これでも先に食っておけ」

軟骨の唐揚げと砂肝の唐揚げの乗った皿を、渡してきた。

軟骨のから揚げは塩味で、砂肝派のから揚げは塩、コショウで味付けされており、酒のつまみには、もってこいはで、この居酒屋では必ず注文されると言ってもいいぐらいの人気商品だ。

「婆さん、濃いめのレモンサワー、ジョッキで作ってやって」

「あいよー」

居酒屋のオシドリ夫婦を見ると、俺の両親もこんな風だったらよかったな。

実は、俺は両親のことを知らない。

離婚をした両親は赤子である俺を、母の妹である叔母にあずけて逃げて行った。

叔母は結婚もしないで、俺を大事に育ててくれたおかげで、苦労や悲しみなどはなく生活できた。

しかし、叔母は、母親のことは、何一つ話してくれることはなかった。

隣町の教師になるまで、叔母と暮らしていたのだが、今は寂しい一人暮らしをしている。

「何しんみりしているんだ?」

正明は、態度が暗い俺を見ると、声を掛けてきた。

「いや、何でもない、でも正明はなんで、旅行に行かなかったんだ」

「聞いてくれよ雄也、家族旅行なんて久しぶりだな~って言ったら、何言ってるのお父さんとなんか行くわけないじゃん、私たちだけで行くから、なんて言うんだぞ」

「あ~~う~~~ん大変だな」

「旅行代金だって、俺の稼ぎなのに」

慰めている最中に

「ハイ、レモンサワー濃いめ、おまちどうさま」

サワーを飲みながら、軟骨のから揚げを口に運ぶ。

「うん、うまい」

それにしても、今日は愚痴を聞くための、飲みだったのか。

まあ、正明には、世話になっているし、しょうがない。

愚痴を聞きつつ酒が進む。

時間がどんどんと過ぎ、22時過ぎた頃、親父さんが声を掛けてきた。

「明日も、学校の仕事あるんだろ、相方の方は、俺が相手するから、早く帰れ」

「え~帰っちゃやだよ~」

「しょうがないだろ、明日も仕事なんだから」

「仕事ったって、女子高生のと~~~」

「ふざけんな、女子高生とお前が考える変なことなんかしたら、人生が終わる」

笑いながら答え、店を出る。


急がないと終電が・・・


急がないと


酔いが回る・・


ヤバイ・・やばい・・


こんなところを誰かに見られたら、たとえば、生徒の親御さんに・・


慌てて路地裏に入り、倒れこむ。


しばらくすると、目の前には、帽子を深くかぶった青年がいた。

青年は、透き通ったソプラノのような声で、

「大丈夫ですか、意識はありますか」と聞いてくる。


「タクシーを・・・」


「タクシーを呼べばいいの?」


「おねが・・・・・・・・い・・・・・・・うっ」

「今、呼ぶけど、どこに行けば、行先は」


「・・・・※※町・・※※※※コーポ弥生」

「わかった、※※町※※※※コーポ弥生」

しばらく様子を見ていた青年だったが、大通りの方へと消えて行った。

しばらくすると、タクシーをつかまえてくれたらしく、タクシーに雄也を乗せると、青年もタクシーに乗り込む。

「※※町※※※※にお願いします。」

タクシーに乗り込むと青年は、口早に、運転手に告げる。

しばらく、タクシーは、走っている。


雄也の意識は、とんでいるのだが、タクシーが停車をすると、ドアを開けて、青年は声を掛けてきた。

「大丈夫ですか?歩けます?・・・・腕を肩に回して・・・」

「運転手さんありがとうございます」

雄也は、腕を青年の肩に回す。

「コーポ弥生の何号室?」

「2・・0・1号室」

青年は、タクシーから雄也を下すと201号室に雄也を運ぶ。

「カギはどこ?」

「か?ぎ?・・か・・ぎ・・・は・・み・ぎの・ポケ・・っとの・・・・」

「右のポケットの中ですね」

ポケットの中から、カギを取り出すとカギを開け、部屋の中へ入る二人。

ソファーに雄也を寝かせ、青年はつぶやく。

「は~~~~・・・・・初めて男性の部屋に入ってしまった。でも、この人、苦しそうだ。服のボ・・ボタンを外した方が・・」

ワイシャツのボタンをはずしてくれたおかげで、苦しさが緩くなる。

「タオルも探して、氷水でひやしたほうが・・」

洗面所に干してあるタオルを氷水につけ、絞ったタオルで頭を冷やし、看病する青年。



看病し、疲れ果ててしまったのであろう、雄也の胸に頭を乗せ眠りに就く。

看病してくれた青年を起こすことが出来ず、そのまま夢の中へ落ちて行った


何故だろう・・

       この青年・・・

              からは・・・

                    懐かしい香りが・・・

                              

恋愛物を書いたことが無いポンコツ頭の私には、本当に投稿していいのか?

恥ずかしい思いでありますが、後輩の影響で恋愛系が好きになりすぎ、こんな感じの恋愛系もありかもと思い投稿を決意しました。

某同人系[夏と冬にやる]漫画のストーリーを協力したことはありますが、小説のような長い文章にすることは、得意としないのでつたないストーリーになるかもしれませんが、心を込めて送り出そうと考えています。


                                        秋

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