ルート自衛隊
ルート自衛隊
なあマイ。
あれから俺はどうすることもできなかった。
だからメールをよこしている。
指先一本で。
世界が淡い。
世界がにくい。
世界が苦しい。
何もかも、できない。
「一条三佐、以上任務を」
「よろしい佐部」
重ぐるしい雰囲気になってきた。
「一条三佐、私はどうしたらいいでしょうか」
「戦え」
渡されたのは、AKseries
時期トップになるだろうなろうだろう。
そんなことを言っている矢先、任務が出た。
敵陣を片づける、フィリーナ部族を。
敵を倒す。
それが俺に託された、任務である。
それがどんなことを意味しているのか、わからない。
だがしかし、上層部からの命令である。
そこで、部族の衝突が、アメリカ国内で起こった。
だから日本人の自衛隊が、駆り出され、アメリカ軍と戦っている。
相手はかなりの能力者。
繊細な、攻撃がメインの相手だ。
その時は、裏の世界の者たちであるとわからなかった。
なによりも、マイの同じ部族であるとはわからなかった。
頭を打ちぬく。
「来い」
「ああ」
名前をトウマという、日系のアメリカ人である。
アルダ、サマンタ、クレンジ、日村の部隊である。
通信役が、一条殿である。
「すいません、ここが寝床であると」
俺はここを見てみた。
すると大蛇召喚の儀は失敗に終わったと書いてあった。
それがどんなことを意味しているのか解らなかった。
「ああああああああああああああああ」
ま、マイの声だ。
どこから。
悲鳴のようなものが聞こえてきた。
俺は錯乱したように、あたり一面を探す。
ここから聞こえる。
かまどから聞こえてきた。
それがどんなことを意味しているのかわからなかった。
「マイいいいいいいいいいいいいいい」
叫んでも聞こえない。
「タスク兄さんんんんんんんんんんんんんんんん」
ユウの声も聞こえてきた。
これは戦っている声だ。
どういうことだ。
いったい何が、俺の耳に入ってくるんだ。
「タスク、どうしたんだ」
トウマはそれでも任務につけと促すように言っている。
「マイいいいいいいいい」
発狂した。
何がどうなっているのか。
すると目の前にドアが現れた。
「なんですかねこのドア」
トウマは魔法を見た。
俺も魔法を見た。
ほかの各員も魔法を見た。
「俺が、この先にマイがいるはずだ」
かまどではないのであった。
この扉の向こうだ。
そんなことを淡々と思った。
マイを殺すひとが現れるのか。
ありえない。
そんなことが。
「ちょっと隊長」
画面が真っ暗になった。
気絶したのでった。
「任務中に発狂とは君らしくない」
目の前にいるのは、一条三佐。
こんなことになっているのはどうしようもない。
俺はあの時のことをありありと言った。
すると一つの病院を紹介された。
「本国の精神病院である」
そうして俺は、頭がおかしくなってきた。
「なぜアメリカに滞在しろと」
「君のためだ」
「なぜですか」
「体を見てみろ」
俺はベットで寝ていることがわかった。
右手が残っている。
ほかはない。
こんなことがどんなにつらいのか。
夢を見ていたのか。
何がどうなっているんだ。
確か。
「われわれでは、アンノーンと呼んでいる」
意味がわからない。
徐々に錯乱していく。
こんなことがあっていいのか。
マイは、マイはどうするんだ。
劒先生も、大口を行ったばかりだ。
こんなことが……
右手でペンを持って、自分を刺そうとした。
「我々では何もできなかった」
一条三佐は何もできなかったことを悔いているわけではなかった。
おかしいほどの現実に、立ち向かったのだとそう説明された。
マイに手紙を描く。
返事が来ない。
それでも書く。
十年後。
ユウと結婚をした。
看護資格を持っていたから、しかたなく結婚をした。
のちのち聞かされた。
マイは自殺したと。
それでも生きていると信じて手紙を日本に送っている。
今になってわかった。
マイは、あの時頭を打ちぬいた人ではないかと。
俺の葬式が始まった。
キリスト教でよかった。
マイが好きだった。
ユウ、ありがとう。
夢を見ているかのようだった。
この話は書いている途中で思いつきました。今年で8年目です。よろしくお願いします。