学校は大切なことを教えてくれたか?~俺たちは生まれながらにして自由なはずだ~
この物語は、私が執筆しております「学校の女神様が俺にだけ一途になった理由」に出てくる伊織の物語です。本編を知らない人でも楽しめるように工夫しておりますので是非読んでみてください。(途中で湊斗という人物が出てきますが、伊織の友達です。治安維持隊は町を守る組織の事です)
あと、学校をめちゃくちゃ否定してますが作者自身の考えではなく、あくまでキャラクター自身の考えなので予めご了承くださいませ。
「お前は自分の成績が見えてないのか?今お前にとって一番大事なのは勉学だろう!さっさと勉強しろ」
中学生の時に学校の先生に言われた言葉だ。治安維持隊に入りたいから学校をやめると言った時に言われたものだ。
当時の俺は、全く勉強をせずに一人でさまよっていた唯のガキだった。成績はダメダメで、よく皆からバカやアホなどと、見ず知らずの奴にまで言われていた。
その時はもう友達なんて言える奴はいなかった。
何を言っても学校の勉強をしない俺に、先生はどんどん口を悪くしていった。赤の他人に使う口の利き方ではなかった。
俺の名前は杠葉伊織。現在高校一年生であり、治安維持隊一番隊所属。
実際に言われてみて自分はどう思ったか。俺は悔しいなんて一ミリも思わなかった。逆にお前の方が大事な事に気づけていないと思ったまである。
俺の考えはこうだ。
学校の勉強は何のためにある?やりたくもない、将来役に立つかどうか分からない先の見えないものを必死に習って、バカみたいに勉強してどうなるんだ?
本当に大切なことを最初に教えてくれたか?いや教わってない。今までに無駄なものばかり習わされて、こけにされて終わりだった。
そんな無駄なことをやって褒められても嬉しくだなんて一ミリも思わない。
この世で一番大切なものは命だと思っている。その命を実際に学校は守れているか。
全く、笑えてしまうほどだ。誰もが知っている。全然守れていない。むしろ学校が死亡者を輩出しているまであるだろう。
無意味な事を学ばせる、暴力に、悪口に、不登校、よくよく考えてみればクソみたいな組織なんだ。
所詮は毎朝早く起きて、バカみたいに労力を掛けて行くところではない。
唯一いい点と言えば、友達が出来るところだろう。逆に俺みたいに友達が出来ず、周りに敵しかいない奴もいる。勉強のプレッシャーに負けて、周りの環境にまで負けて自分が潰れていくまでだ。
確かに社会の基盤を作るためには大事な機関かもしれない。それじゃ、もっといいやり方があるだろう。
大切なものはなんなんだ?その本質を学校に忘れさせられている奴が多いんじゃないか?
ニュースが何の為にあるのか。それは世の中を知る為。便利なものがあるじゃないか。今世の中では何が起こっている?
戦争、犯罪、死亡事故、全く、命を粗末にしすぎている。目に見えて分かるじゃないか。
学校は、社会を基盤を作る人間を輩出するとはいえ、真っ当に生きようとしている人を殺す人間、もしくは真っ当に生きようとしても、淀んだ社会を生きて真っ当に生きられず殺す側となった人間も輩出している。
同じ人間を殺す理由には必ず意味がある。その理由は他の人に植えつけられるのがほとんど。生まれる前から人を殺そうとする赤ちゃんがいるわけがない。
そんな現実があるのに、それを無視してまで無駄な事を覚えさせる学校には何の意味がある?
俺はその時の教師にこう言った。
「僕の事を励ましてくれて、力になろうとしてくれている先生には本当に言いづらいですが、その考えには添えません。学校の教師だから僕の将来を気にしてくれて言ってくれているのかもしれませんが、それは余計なお世話だ。この世で一番大事なのは勉強なのですか?僕は命だと思います。僕は治安維持隊に入って大切な命を助けようとしているんですよ?命を助けるのに年齢は関係ない。学校の勉強は今の自分に取っては無駄だ。残念ながら先生のお気持ちには添えない。一番大事なものに気づけてないのはあんただ。もっと人の事を考えろ。この無能教師」
その時の俺は何かにとりつかれたように、何も考えずに冷たい目で罵倒したので、先生の顔はまるで何かに見通されたような顔をして、その後何も言い返せずに俺を見つめていた。
俺は先生自体を否定しているわけじゃない。頑張って血の滲むような努力をして、優れた生徒を輩出しようと誓い、先生になった。とても素晴らしいことじゃないか。自分の夢が叶っていて、人の役にも立っている。
今後、先生から教わった生徒が世界を変えるかもしれないし、先生のおかげで楽しい学校生活を送った生徒たちにはいい思い出になるだろう。
何も悪い事しないまま死んでくれたら、俺的には関係ない。
ただ、俺は人の命を助けたいという大切な夢を壊されかけたので反論したまでだ。別に悪い事は言っていないはず。他人に囚われずに自分と突き通したまでだ。
それから俺は学校の勉強が出来なくて、家族にまでも見離されていた。
俺の親はすぐに学校のテストや成績を見て、悪い分俺に怒号を浴びせ、暴力を振るってきた。
弟の方が頭が良かった為、兄貴の俺はゴミ扱いにされ、弟は俺に庇うこともせず、軽蔑の目でいつも俺を見ていた。俺は兄貴という謎のプライドは捨てそのままゴミ扱いのままでいた。別に悔しいとは思わず、毎日ストレス発散のお人形として過ごしていた。
家族の中で唯一の支えは妹だった。妹の事は大好きだ。妹も家族が嫌いで苦しんでいたため一緒に逃げた。だから今は妹と二人暮らしをしている。
最初から友達がいなかったわけじゃなかったし昔は彼女もいたが、すぐに振られてしまった。
家庭の事もあり、俺は徐々に自信を無くしていって周りから離れていった。全部腐った思い出だ。
個人個人には考えがある。それは正しくも悪くもあるが、この、命がこの世で一番大切という俺の考えは絶対的に正しいと思っている。
毎日のように命がなくなっている世の中を横目で見ながら、知らないふりをして生きるのが劣等感に思えるから、自分がこう思うだけ。
ご飯を食べている時に、ご飯を食べられない子がいるのに当たり前のように食べている自分を責めてしまうのは俺だけなのか?
しかし、自分が出来ることは小さなことであり戦争を止めるなんてことは無理がある。でも、俺は少しでも人の命を救って素敵な社会を気づいていきたいのだ。
だから治安維持隊という道を選んだ。今では、今まで俺をこけにした奴よりかはいい事をしていると思える。
治安維持隊は、入る前に治安維持隊の学校に入って訓練や授業を受けなければいけないのだが、その環境がキツすぎて途中でやめていく人間が多い。でも、俺はその環境を生き抜いて今は一番隊の隊員となっている。
もうその時点で周りとはかけ離れた存在になっているだろう。
だからもうバカにされたって感じるものはない。
今は俺をこけにしてきた奴にはこう言ってやりたい。「お前らは俺よりも無能だ。そしてお前らよりも大切なものに向き合っている」と。今度はあいつらが社会のゴミとして生きる番だ。
大人になっていく少年少女たちには、大切なものを自分で見つけて貫き通してほしい。学校なんて我慢して通うな。
俺はこう言いたい。
いつまで周りに飼いならされているつもりだ?自分がやりたいことを我慢して他人に怯えながら生きていくのか?
俺たちは生まれながら自由なはずだ。生まれてから他の人間に支配される筋合いはない。やられたらやり返すだけ、それじゃなきゃ平等じゃねぇだろ?
周りに罵倒されてもめげずに、自分は黙っていられない、お前らよりも上なんだというところを見せつけてやればいい。恐れる必要はない。
この世は他の人間に邪魔されている人間が多い。だからそいつら全力で叩きにいってやれ。傷つかなきゃやってけねぇ。やりたいことやって人間らしく死ねばいい。そして自分らしく生きてろっと。
でも自分の事守ってるくれる奴、大切にしてくれる奴は全力で守ってほしい。俺も湊斗や妹に何かあったら全力で守る。大切だからだ。
といっても、俺はぶっ飛んでるだろう。全く、今思うと笑えてくる。
でも、一人でも命の為に生きる人が増えたならきっと変わるはずだ。
中学生にしろ高校生にしろ、自分が人を助けたいならその為に必要なことを必死に勉強して命を助けてあげればいい。
学校の勉強よりも大切な勉強は沢山ある。
最終的には、俺の事を虐待して見捨てた家族は地獄送りにする。周りの奴らや先生には屈辱を知ってもらい、自分が哀れだという事を身に染みてもらう。
はぁ、少しは俺も社会にクソにされたみたいだ。でもこれでいい。
これが俺が思う最高のフィナーレだ。
治安維持隊もいつかはなくなるだろう。所詮は警察の脇役みたいなもんだから、一定以上の治安の維持が見られたらもう存在する意義はないのだ。警察だけでなんとかやっていけるだろう。
今は治安維持隊を潰すことが俺の目標だ。そこまでいけたら自分に後悔はない。
今はとても充実していてやりたいことが出来て幸せだ。でも、今ある幸せにしがみついたままではいない。
最終的には世間に中指を立てて死んでやるよ。
☆☆☆☆☆☆
俺が湊斗と出会ったのは、治安維持隊の学校に入学した時だ。あいつも馬鹿真面目で俺と気が合うやつだなぁと思った。
まぁ高校生で治安維持隊に入ろうとするやつなんて所詮はぶっ飛んでいるが。(本当は十八歳以上しか入れない)
当時中学生だった俺は、周りには年上しかいない環境だと思っていて、あまり馴染もうとせずに一人で食堂でご飯を食べていた。
その時に突然、隣にご飯を置いて座ってきたやつがいた。そいつが湊斗だった。
突然だったからなんだこいつと心の中で思いながらも、そのまま横を見ようとせずに無視してご飯を食べていた。
すると「君、中学生か?」と隣でご飯を食べながら俺に聞いてきた。その時の湊斗の顔は謎に笑顔で、気味が悪いと思った。
「そうだが」
「やっぱり、実は僕もそうなんだ」
「まじかよ」
当時の俺は今とは違って無愛想だったから素っ気ない返事をしたが、湊斗は気にせずに優しい声で返事をしてくれた。
あの時からあいつはまぁまぁな体の大きさをしていたからてっきり年上だと思って、同い年と聞いて驚いたのを覚えている。
それから「何で分かったんだ?」と聞くと、湊斗は「見た目と誰とも関わってないところが俺に似ている」と言っていたが、そんなことでは分からないだろと心の中で思った。
まぁ、そこを追及するのはどうでも良かったからとりあえず「何でここにいるんだ?」とか話していったら色々と気の合う部分があって、それで打ち解けていった。
あいつ、結構いじりがいがあって面白いから、いっつもいじって笑ってたなぁ(今もだけど)
でも、優しい分あいつ裏は怖いと思うからほどほどにしていた(本気で怒ったところは見たことはない)
湊斗だけは他の誰よりも話しやすかった。俺の考えも受け入れてくれてちゃんと分かってくれる奴だ。
だから治安維持隊の学校にいた期間は湊斗としか話していなかった。あいつは俺に「他の奴なんかと無理に話さなくても、気が楽な奴と話せばいいじゃないか」と言われたためそうさせて貰っていた。
逆にあいつといた方が実際気が楽だったし、キツい訓練も乗り越えられた。ほんといい奴なんだよな。それから、学校を卒業して随分と自分に自信が付いた。
それから無愛想だった自分も結構人と関われるようになっていった。
結構湊斗には世話になっている。
ふんで、治安維持隊のどの部署に行くか決める時に湊斗と一緒でいいわってなって、遠くから今の所へ引っ越してきたわけだ。
俺は結構脳筋みたいな所あるから、悪い奴ら潰したくて一番隊に入ったわけで湊斗が所属している四番隊とは違うわけだけど、高校に入ってからはクラスも一緒だし今も湊斗は仲良くしている。
まぁ、結論として妹とあいつが俺の中で一番だな。
ふぅ。
ふんじゃ、今から湊斗には朝霧さんのことでも聞いてくるかな。
今日はどんな話が聞けるやら。ニヒヒ。
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伊織くんは、今はちゃんと高校に行っているわけですが、全然勉強してません(笑)宿題はやって留年しない程度にテストの点数取ってます。