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借金まみれの貧乏令嬢は麗しの侯爵子息の幼馴染に愛されていました【連載版】  作者: サトウアラレ
2章

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男は振られた数だけ強くなる

ノアの家に預けた子供達の事は王太子殿下にまで話しが行き、パーラメント家の方で世話する事が問題なく決まった。


ノアから、「兄様が話を王太子殿下に話されて、孤児院や教会の在り方を見直すと、王太子殿下が動かれるらしいよ」と教えて貰った。



子供達もパーラメント家で見る事に問題ないらしいことに私はホッとした。



「僕の個人資産で出来るだけ世話をする事が条件だったけどね。王太子殿下が動かれる事が決まってるし、問題は無いよ。子供達にも将来の希望を聞いたんだけど、一人は調理師希望、一人は庭師希望がいたよ。一番上のアンディは結構賢くてね、孤児になる前は学校に通っていたようだね。礼儀と勉強をしっかり頑張れば執事見習いに出来そうだよ」



私はノアに後ろから抱き着かれ頭にキスを受けながら説明を聞いた。



「あー、ミラ、可愛い。大好き。一番小さいリーリアはメイドになりたいのかな。一生懸命メイド長の後ろをエプロンを着けて走りまわってるんだ。そうそう、学校に行かせるよりも平民の教師を一人雇って週三回勉強をまとめて見て貰う事にしたよ。アンディは賢いけど字の読み書きが出来ない子が多いからね。学校までの往復の危険を考えたら、教師を一人雇った方が良いと思ったんだ。僕がリンツ家に婿養子に入る時に皆もリンツ家に連れて行くよ。四人はリンツ家に残るのかな。残りの子達はまだ考え中だね。サブロウ先生の稽古が楽しい子もいるようだしね。ああ、待ち切れないね」


頬をぷにぷにされながら、頭にちゅっちゅっちゅと、忙しくキスをしながらノアは説明をしていく。


ノアの噂で、キス魔と言うのは無かったな。私はノアが持って来たお菓子を食べながら今後の事を考える。


王太子殿下も、王室のイメージアップに繋がる事は良い事と思ってるはず。我が家とノアでは八人が精一杯だ。さて、どうなるかな。


私は手を繋いだり、寄りかかってくるノアをよしよしと撫でながら子供達の事を考えお菓子を食べ続けた。







次の休み、サブロウ先生はじい様と話をして忙しいそうで、私は街に出かけ今回はアルバイトにはいかずブロンの所に行った。


裏通りをうろうろしているブロンは私と目が合うと、「お、アネゴ、どうしました?」と、私に声を掛け、私達はブロンの子分の店に入った。



「この間の子達。私の婚約者が引き取ったよ。王太子殿下も許可してね。間もなく孤児院やら教会がちゃんと機能してるか調べが入ると思うよ」



私がそう言うと、ブロンはキラリと目を輝かせた。



「情報は売っていいけど、売る相手を考えてね。教会や孤児院には売らないでね。出来ればその孤児院や教会が困る相手に売って欲しい」



ブロンは眉間に皺を寄せて考える。



「ブロン、考えなよ。簡単な儲けに走ってちゃ駄目だよ。教会が困ると教会はどうするかな、孤児院が困ると孤児院はどうする?」


「貴族や金持ちにたかりに行きますかね。じゃあ、貴族や商人に売ったらいいんで?」


「ううん。それじゃ一緒かな、その次は?貴族や金持ちが困ったらどうする?」


「平民や貧乏人からたかりますかね。じゃあそこですか?」



私は頷く。



「うん、皆に自衛させよう。先に手を打たせて、悪い奴を孤立させよう。相手は王太子殿下だよ、悪い奴らは無理な事はせず潰れるよ。よっぽどバカな相手なら悪あがきするかな。それかある程度の権力を持ってるか。でも、王太子殿下に噛みつける人はそうそういないでしょ」



ブロンは頷くが、「儲けがすくねえな、とボヤいた。


私はブロンの頭を叩いて、腕を組んだ。



「元手がタダの情報でしょ。文句言わないでよ。で、情報流す時にノアが子供を救って、王太子殿下がそれを後押ししている、王太子殿下がノアの味方って噂も流して。今度レッドボア持ってくるから」



ブロンは頷く。



「アネゴの頼みなら断りませんよ。分かりました。期限はいつまで?」



私はふむ、と考える。



「王太子殿下は早く動くと思うよ。来月に王宮でパーティがあるからその時にある程度発表するかも。だからすぐにでも動いて、で、来週には教会には監査が入るよ。この話はまだ王太子殿下とノアの家、我が家しか知らない。でも、子供を連れて私が歩いている。ブロンがこの話を広めるのは変じゃない。我が家が保護して、ノアが動いて、王太子殿下が味方。子供は教会に見捨てられた。孤児院にも入れない。この辺を上手く話して。もし、その後様子が変わった家や、おかしな事があったら教えて欲しい。その分の対価はそうだね、これでどうかな」



私はこの間近くの草原で魔物をやっつけて拾った、レア素材をブロンの前に出した。ブロンは近くにいる子分を数人呼んだ。



「今のアネゴの話聞いたな?洗濯屋から流せ。夕方からは飲み屋だ、明日の朝には農家に話せ。あくまで、孤児院と教会の話はついでの様に話せ。分かる奴には分かる。ちゃんと駄賃貰って話せよ。行け」



ブロンの言葉に子分が店を出て行った。



「ブロン、有難う。助かるよ。今度、サブロウ先生の所で隠密の練習付き合ってあげるよ。あと、最近冒険者登録したんだけど、一緒に一狩りいく?まだ、ランクが下で近場しか行けないけど」


「お!本当ですか?是非お供させて下さい。王都の外れの洞窟にたまにレア水晶が採れるって聞いたんですよ。アネゴと一緒なら採れる気がするんですよね。上手く採れたら酒場のマリリンちゃんにプレゼントしたいんですよね」



私は出して貰ったお茶を飲む。



「あれ、踊り子のキャンディーちゃんじゃなかったの?振られちゃった?」



ブロンはへへっと笑って「男は振られた数だけ強くなるんですよ」と訳の分からない事を言っていた。



いいね、ブックマーク、感謝しています。とても嬉しいです。


誤字報告、大変助かってます。



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