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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
93/419

第93話嫉妬深い会長が突然に・・・

晃子はキョトンとなるけれど、光に聞き返す間もなく、スマホが鳴った。


「ん?誰だろう」

晃子が光から離れてスマホに出ると、マネージャーの声。

「どうしたの?」

晃子はマネージャーに尋ねた。

「晃子さん、会長がお見えです」

マネージャーの声が震えている。


「わっ・・・」

晃子の表情が変わった。

晃子とて、会長の嫉妬深さは知っている。

何としても、すぐに光を逃がさなければならない。

ここでトラブルになったら、仕事も光も失ってしまう。

晃子は焦った。


「光君・・・」

晃子は走ってピアノの所に戻った。


「あれ?」

しかし、光はいない。

鍵盤にメモが挟んであった。


「ありがとうございます、今日はこれで帰ります」

「それから、ピアノの音が変なのは調律ではありません」

「詳しくは、いずれ  光」

晃子が慌ててメモをポケットにしまうと、ほぼ同時に会長が入って来た。


「ふーん・・・」

見るからに精悍な体形、顔つきをした「会長」が入って来た。

いつもと異なり、部屋のあちこちを見回している。


「あ・・・会長、どうかなされましたか?」

晃子も気になった。


「・・・だれか来たのか?」

そう言いながら、相変わらず部屋のあちこちを見回している。


「あ・・・はい・・・今度の学園コンサートの関係で、指揮者と少し練習を」

晃子は、素直に応えることにした。

下手に隠していると、バレた場合の会長の態度が恐ろしい。

それに、さすが化粧品会社の会長である。

おそろしく鼻が利く。

若い男の匂いなどは、すぐに察知する。

しかし、一緒に練習したのは光であり、まだ高校二年生、晃子としては会長の嫉妬の対象ではないと思っている。


「・・・そうか・・・」

会長は晃子の目を見つめた。

「それで今帰ったばかりだな・・・」

会長はピアノのところに向かった。


「はい、練習は三十分程で」

晃子は素直に応えた。

会長の嗅覚に驚いている。


「三十分?どうしてそんなに短い?」

「わざわざ、ここまで来て、どうして三十分で帰るんだ」

会長は、どうにも理解できないといった顔をする。


「ああ・・・ピアノの調律が変とか言っていました」

「それで、すぐに帰ってしまいました」

晃子はここでも素直である。


「何?ピアノの調律?」

またしても、会長は理解できないようだ。

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