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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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第90話晃子のマネージャーの違和感

「ちょっと待って、スマホが鳴っている」

春奈は手で華奈を制してスマホを手に取る。


「はい・・」

「そうですか、それなら・・・」

「念のためね」

「わかりました」

春奈は、すこぶる真面目な顔でスマホを切った。


「春奈さん・・・」

華奈が春奈を見た。


「うん、圭子さんが調べてくれた」

「まあ、大丈夫とは思うけれど」

「華奈ちゃんも巫女として最初の出番になるかもしれない」

春奈は、華奈の顔を真正面から見る。


「おーー、ついに出番ですか」

「やはり、何かあるんですね」

途端に、華奈のヤキモチ顔が、真顔に戻った。


「うん、阿修羅が動く時は、きっと何かがある」

春奈は腕を組む。

「それに・・・」春奈


「それにって?」華奈


「あのナマケモノの光君が、夜まで練習するって変でしょ」春奈


「はい、それは全くその通り」

華奈は「実にあっさり」と納得している。

「とりあえず、食事の場所と晃子さんのマンションの場所は、圭子さんが読んでくれたから」春奈


「え?食事の場所とスタジオでは?」

華奈は不思議そうな顔になる。


「うん食事は渋谷のホテル、スタジオは晃子さんのマンションだって・・・」春奈


「うーん・・・許せない、絶対引きずり出さないと」

華奈は再びヤキモチ顔に戻っている。



晃子は車内でドキドキ感がおさまらない。

予定通り、光を「拉致」することには成功した。

それによる達成感と、光の隣でヴァイオリンを弾いている時以上に感じる、なんとも言えない光の雰囲気に包まれている。


「うーん・・・よだれが出そう・・・」

我ながら、ハシタナイ言葉と思うが、とにかくうれしくて仕方がない。

そしてあまりの笑顔で、運転手が不思議そうな顔になっている。


晃子は、かつて祥子もつとめた、超一流化粧品会社の、イメージキャラクターを務めている。

いつもメーカーお抱えのマネージャー兼運転手付きベンツで移動する。

万が一、公共交通を使って、変に騒がれたりすると。企業イメージも打撃を受けるリスクがある。

そのため、絶対に電車やバスに乗らない。


「いつもは、あんな笑顔じゃないのに」

女性マネージャーも不思議に感じる。

「いつも文句を言いながら、マスクとサングラスをして、下を向いているのになあ・・・」

「隣に座る男の子は誰だろう・・・」

「まあ、子供みたいな男の子だから、変な風にはならないと思うけれど・・・」

女性マネージャーは、首を傾げている。


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