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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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第86話二つの連絡と光

「どうして夜なの!」楓

「昼だっていいじゃない!」華奈

「夜二人きりって危ない!」楓

楓も華奈も、とにかくものすごいケンマクになる。


「あの・・・違う」

光は、ようやく楓と華奈の異常に気付いた。

話し方も気圧されている。


「違うって何?」楓

「ごまかしてもダメです!」華奈

光はいっそうタジタジとなる。

それでも、オズオズと話し出す。


「電話の相手は、晃子さんではないよ」

「自治会の体育委員の集まりを明日の夜ってことに」

光はようやく電話の相手を告げた。

光も、これで何とか治まると思った。

しかし、それは甘かった。


「だったらどうして最初に言わないの!華奈ちゃんもすごく心配しているのに!」楓

逆に叱られててしまう。


「でも、わかったから」

華奈は、普通の表情になった。

少しは安心したようだ。

その後、三人でコンサートの話をした後、華奈は自宅に帰って行った。


夕食は圭子叔母さんの料理を楓と三人で食べた。

叔母さんからは、コンサートまでは家にいると言っている。

「うん、せっかくのコンサートだから、聴いてから帰る」

「それまで東京を楽しませて」

叔母さんは笑顔、あちこち、散歩をしたいようだ。

楓も、「一応」落ち着いて食べている。

とにかく晃子から光に連絡が無ければ、何も対応が出来ない。

そしてずっと光の様子を見張っているけれど、スマホで話をしている様子はない。

「コンサートの後かな」

それも考えたが、そうすると危険も感じる。

すなわち、見張るのは華奈と春奈しかいない。

自分たちが奈良に帰ってしまうことに、本当に不安を感じる。


夕食を終えて光は自分の部屋に戻った。

スマホを見ると、メールが入っている。

「誰だろう・・・」

光は不思議に感じながら、メールを開いた。


題名には「スタジオでの練習日」とある。

となると、差出人は当然晃子。

内容は、スタジオでの練習日とスタジオの場所が書いてある。

練習日は、明後日の夜七時、スタジオの場所は渋谷。

その他、音楽部の練習後、一緒に食事をしたいとまで書いてある。


光はここで考えた。

音楽部の練習はコンサート本番前であり、練習時間も長くなっている。

明後日の練習は、午後一時半から五時まで。

ただ、五時に終わっても、後片付けとかコンサートの様々打ち合わせがある。

学園を出るのは、結局五時半ぐらいになる。


「それから、食事・・・スタジオで練習・・・」

光の顔が浮かない。

理由は簡単。

「面倒だし、疲れる」ただ、それだけ。

もともと帰宅部で、どういうわけか音楽部に拉致され、いきなりコンサートの指揮をするだけでも面倒と感じている。

そのうえ、スタジオで夜に練習なんて、疲れるだけだ。

高校二年生にしては、破格の体力と気力なしの光である。

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