表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
阿修羅様と光君  作者: 舞夢
56/419

第56話超美少女華奈の登場

光は、柔道場を出て帰路につく。

光としては、まず英語のテストが近いので、一応勉強をしなければならない。

ただ、今までと違い早く歩くことができない。

何しろ火傷に近い日焼けで肌が痛くてたまらない。


さて、ゆっくりと言うのか、あるいはいつもの通りヨタヨタと駅までの道を歩く光の横に、一人の女子学生が並んだ。

そして、いきなり光に話しかけてきた。


「舞夢さん、華奈です!」

「今月から、この学園の一年生に転校して来ました」

「それから、音楽部に入りました!」

女子学生は、いきなり「超元気に」自己紹介をしてきた。

確かに音楽部らしい、ヴァイオリンのケースを持っている。


「ああ・・・はい・・・初めまして、光です・・・」

光の対応は、とても二年生の先輩とは思えない、ドギマギした応え方。

そのドギマギも当然、華奈は肌も真っ白、輝いている。

とにかく、ピカピカに輝いている超美少女である。


「あっ・・・初めてじゃないけれど、超お久だけど・・・ありがとうございます!」

「音楽部に入ってくれるそうで、とてもうれしい!」

華奈は、超元気に本当にうれしそうに笑っている。

その笑顔だけで、周囲も明るくなるようだ。

普段はおっとりとした光も、珍しく笑顔になる。


「あっ・・・いや入ろうかなあ程度で、決めたわけじゃないよ」

光は、あわてて答えた。

ただ、やはりボンヤリ頭の光である。

華奈の「超お久発言」は、聞き流してしまっているし、さっぱりわかっていない。

しかし、そんな感じで答えながらも、華奈のあまりの可愛らしさに、どうしても笑顔になってしまう。


「それにしても、ボクシング部といい、柔道部といい・・・すごいですね、気になって見ていました」

華奈は光をじっと見つめてくる。


「ああ、恥ずかしいところ見せてしまって」

光は照れた顔である。

何しろ華奈が「超可愛い」ので、ウブな光では照れてしまうのである。


そんな状態で駅に着いた。

いつもの渋谷の雑踏になる。

しかし華奈は光の隣をずっと歩いている。


「あれ、華奈さん、家は?」

光は首をかしげた。

何しろ今まで、一緒に帰った学生などいない。


「ああ、心配はいりません」

華奈は、ごく普通に光の隣を歩いているのである。


「心配がいらないって?」

光には、どうにも華奈のいう意味がわからないが、そのまま井の頭線に乗り込んだ。

しかし、夕方で少し混んでいてとても座れる状態ではない。

結局並んでつり革を握ることになった。


「あ・・・はい、同じ駅です」

それでも光の最寄りの駅に近づくと、華奈がびっくりするようなことを言う。

そして、華奈は顔を赤らめている。


「え?見たことないなあ」

光は応えるが、華奈は笑っている。


「やだ、もう!ほとんど朝は毎日一緒です!光さんが気づかないだけ!」

華奈は、ますます真っ赤になっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ