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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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キムチソースの漁師鍋 運送会社への強制捜査

光はウロタエ顔、ソフィーはニンマリ顔の状態で二階の和室に入った。

いい匂いがしていたのは、大量の漁師鍋、しかもキムチソースの漁師鍋になっている。

それを見てウロタエ顔の光もようやくうれしそうな顔になった。


「うーん、どうしてニケの漁師鍋って、味付けを変えても美味しいの?」楓

「イカもタコも新鮮で甘いなあ」春奈

「光君、最初からお餅食べちゃだめ、最初はお魚にしなさい」美智子

「最後に炭水化物だよ、バイキング料理の鉄則」圭子

「ああ、そうしないと、すぐにお腹がいっぱいになっちゃうのか」由香利

「うん、だから楓の前にお餅寄せとくのさ」圭子

「先に楓ちゃんのお腹をいっぱいにしちゃうの?」美紀

「そうしないとさあ・・・」圭子

「わかるけどねえ・・・意味ないかも」ルシェール

「楓ちゃんもそうだけど、みんな、すっごい食欲になっている」ニケ

「だって美味しいしさ、私はボリュームアップ気味だし、だんだん下着がきつくなってきたしさ、ナイスボディを高める栄養が必要だ」華奈

「気にしない、食べたもの勝ち、年寄りに負けてなるものか」楓

なんだかんだと言いながら、全員の食欲は増すばかりである。



それでも、大量の漁師鍋を食べ終わり、ソフィーと光の経過報告と圭子達の取り組み結果が報告された。

「まあ、全ては明日の朝からだよ、楽しみになって来た」

圭子の最後のシメの言葉は確信に満ちたものだった。




圭子の言葉通り、翌日、運送会社の業務開始から異変が発生した。

運送に関する受注を受け持つ担当者と役席が真っ青な顔で、社長室に飛び込んでいる。

「社長、全ての主要な取引業者から本日の運送発注をキャンセルされています」

「理由を聞くのですが、諸般の事情によりとのみで、明確な理由が全く不明です!」


運送受注業務の担当者と役席に続いて、広報部が社長室に飛び込んだ。

「社長、ネットでわが社のトラックが違法運転、危険運転を繰り返している投稿動画が溢れています」

「中にはドライブインでわが社の運転手から、過積載や過重労働を告白する投稿もあります、テレビ局やマスコミも動き出しています」


その次は財務担当である。

「銀行が手形の書き換えを渋っています」

「即時返済を求めて来ています」

「理由は社長と地域の親分、反社会的勢力との関係とのみなんですが・・・」

早朝からいきなり、そんなことを言われ、運送会社の社長は、驚いた顔になった。

しかし、すぐに落ち着きを取り戻した。


「馬鹿野郎!こういう時のために、学生運動アガリのあいつを飼っているんだ、すぐに連絡を取れ!いくら金を使ってもいい、抑えつけろ!」

「今日が国会質問?そんなの関係ない!」

社長は政治家担当の総務部を呼びつけた。

しかし、呼びつけられた総務部の課長も顔が真っ青になっている。


「社長!既に会社の前に抗議の市民が数百人集まって来ています」

総務課長は即座に社長室のテレビをつけた。


少し緊張気味のアナウンサーが緊急ニュースを読み上げている。

「本日、野党の衆議院議員事務所に強制捜査が入りました」

「捜査関係者からの情報によりますと、事務所倉庫内に、大量の角棒、鉄パイプ、木刀、火炎瓶があった模様」

「それから昨日、事前調査に訪れた公安調査官に対して、議員秘書が買収行為を行おうとした事実も明らかにされました」

テレビ画面には、事務所倉庫内の様子や、議員秘書の買収行為を明らかにする動画が実況で流れている。


「う・・・馬鹿野郎!車で乗りつけやがって!」

テレビ画面に、捜査関係者に赤ら顔で抗議をするかつての同僚の運転手兼秘書が映った。

どうもかなりひどい酒気帯び運転をして来たらしい。

即座に免許証提示を求められるが、なかなか提示をしない。

車の中から議員も出て来た。


「二人して馬鹿野郎だ!」

「そもそ、あいつは免許などとっくに切れている」

「それも度重なる事故、酒酔いのな」

「任せられねえから、あの先生の運転手をさせたんだ」

社長の手がワナワナと震え出した。


それでも議員は、捜査関係者に大きな声で抗議をしている。

「これは、政権による違法捜査だ!」

「本日の国会質問で厳しく追及する!」

「お前たちも首を洗って待っていろ!」

議員もかなり酒を飲んでいるのか、ロレツも乱れている。


画面はいきなり切り替わった。

社長は真っ青になり立ち上がった。

「本日、国税庁の捜査が議員と関係の深い運送会社に強制捜査に入る模様です」

テレビ画面には、運送会社の玄関が映し出された。

社長が声をあげるまでもなく、社長室のドアが開けられ、国税捜査官が社長に名刺を渡したのである。

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