表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
阿修羅様と光君  作者: 舞夢
410/419

現地調査終了と光のスマホ操作能力?

しかし、ソフィーは言葉を途中で遮った。

「あくまでも、周辺住民の不安の声を受けての調査です」

「何しろ異常に武器を持ち込んでいる、何が目的なんですか?」

「先生のテロ組織を刺激するなという発言は意味不明でしたが、先生自身がテロリストなんですか?」

受付がますます震えあがるような厳しい指摘をする。

すると、別の受付が、真っ青になり、何か大きな紙包みを持ってきた。


「ああ、申し訳ありません、これで・・・」

別の受付がソフィーに紙包みを渡そうとする。

しかし、ソフィーは受け取ろうとしない。


「ふん、全く馬脚も重ね重ねだねえ・・・」

ソフィーの目が恐ろしく光った。

と同時に、紙包みが破けてしまった。

百万円の現金束が数束床に広がっている。

「これも見逃せない、議員さんの事務所でねえ・・・不祥事の宝の山だ」

ソフィーはこれも写真を取り、メール転送をしている。


「まあ、あんたたちは、今日のところは大丈夫さ」

ソフィーは再び目を光らせた。

そして、そのまま光と政治家事務所を後にした。


「へえ、記憶を消しちゃったんだ」

光はソフィーの顔を見て、不思議なことを言う。


「うん、今日のところはね、誰かが来て、倉庫まで案内して、気がついたら現金が床に広がっていたぐらいかなあ」

「明日の先生の国会質問の本当に直前、数秒前ぐらいに思い出す」

「まあ、その時が楽しみさ」

「でも、国会質問も出来るかどうか・・・」

「それから圭子さんたちは、あちこち知りあいの神社仏閣経由で、様々な関連会社、銀行、マスコミに、工作を開始したよ、まあ、巫女にとって裏情報を仕入れる、仕込むなんて巫女稼業のイロハさ、敵にしてこんな恐ろしい敵はいない」

ソフィーは意味深な顔で笑っている。


「それでさ、運転手の始末は任せてくれる?」

光はソフィーの顔を見た。

運送会社と政治家事務所はおそらく決着がつく。

光としては、直接の関係者はその運転手であり、どうしても自分が始末をつけたいと思っている。


「うん、それは任せる・・・」

ソフィーは光の目に恐ろしいものを感じている。

「ただ、光君自身が犯罪者になっちゃだめだよ、それだけは約束して」

ソフィーは、どうしてもそのことを確認したかった。


光もそれは理解しているようだ。

「うん、そんなことはしない、ただ始末は厳しい」

ソフィーの懸念を否定しながらも、光の表情は厳しかった。



光の家とソフィーが戻ると、美味しそうな匂いが漂っている。

しかし、キッチンには誰もいない。


「あれ?どこかなあ」光

「もしかして自分たちだけで食べちゃったとかさ」ソフィー

光とソフィーが、首を傾げていると華奈が二階から駆け下りて来た。


「ほらー!待っているんだからさ、さっさと二階に来てよ!」

「もうね、楓ちゃんがお腹減ったって大騒ぎ!」

「それにさ、光さん、どうしてメールを読むって出来ないの?」

「ソフィーもソフィーだよ、抜け駆けするんだったら、ちゃんと光さんの面倒見てよ!」

「全く二人して出かけてばかり!アヤシイよ、まったく!」

「私なんか一度も、二人して出かけてないし!」

光とソフィーが呆れる中、華奈は母美紀により強引に二階に連れ戻された。


「ああ、メール入っていた、三つだ」

少しウロタエ顔の光がスマホを見ている。


「いくら何でも三つはわかるよ、どうしてわからないの?」

ソフィーもこれには呆れ、光のスマホを奪ってしまう。

「ああ、そうか、マナーモードかあ・・・バイブもないの?」

ソフィーは光が気づかなかった原因を把握した。

華奈にまで叱られた光が、可哀そうになった。

しかし、光の次の答えで「可哀そう」は一変した。


「うん、そのマナーモードとね、バイブの変更って、全くやり方がわからない、っていうか買ってから説明書も何も読んでいないし」

光は必死に、電話、メールに出ない「言い訳」を説明するけれど、ソフィーは本当に怒り顔になった。


「光君って、本当に呆れる!」

「政府から緊急メールあったらどうするの?」

「高校二年生、来年は三年生だよ、機械が苦手な老人世代じゃないんだよ」

ソフィーの怒りで光は、ますますウロタエ顔が加速した。


「もう、しょうがないなあ・・・」

「これだから、おっとり春奈さんとかルシェールには任せられない」

「華奈ちゃんはそもそも論外、楓ちゃんはいとこだから対象外、由香利さんと由紀さんも、今までそんな光君を放置してきたウカツさは否定できない」

「全てソフィーが手取り足取り指導だよ」

ソフィーは言い終えてスッキリしたのか、ニンマリ顔になっている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ