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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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光の復活 そして楓の大暴言!

「さあ、これで大丈夫だよ、光君」

イエスの厳かな、そしてやさしい声が聞こえた。


「はい、イエス様、何度もありがとうございます」

光も、いつもの通りおっとりとした声で応えている。


一部始終を見ていた巫女たちは、それで本当に安心してしまった。

そして、全員が強い睡魔に襲われ、眠ってしまった。



「あれ?」

春奈は目を覚まして驚いた。

周りの状況が、どうみても富士山麓、地蔵菩薩の宝珠の中ではない。

光の家のリビングとしか見えない。


他の巫女たちも、ほぼ同時に目を覚ました。


「あれ?富士山がない」由香利

「でも、凄い闘いも、イエス様も見たよ」ルシェール

「そう、光君が真っ赤に焼け焦げて、イエス様がお薬飲ませて」由紀

「暗闇の神って、あの黒い煙みたいな神は、富士山の中かなあ」美紀

「でも、何故だろう、珈琲の香がして来たよ」

華奈は、リビングのソファからようやく起き上がった。

そして、そのままキッチンに向かった。


「あれ?光さん、珈琲淹れているよ?大丈夫?」

華奈の大声が聞こえて来た。


「うーん、おそらくイエス様のお薬で復活したんだね」

ルシェールは、少し頭がふらつきながらもテレビのスイッチを押した。

途端に、ニュースの画面となった。


「国際テロ集団が、突然、脅迫行為を中止すると発表しました」

「専門家の分析では、国際テロ集団内部で、脅迫、テロ行為を遂行出来ない内部分裂か、重大な問題が発生したらしいとのことです」

「これにより、日本政府は戒厳令状態の解除を発表、各国政府も同様です」

「また、日本列島上空を覆っていた寒波も、突然消え去り、穏やかな春の日差しが全国に広がっています」

「海底火山の噴火による津波の影響もなく、市民生活には平穏な状況が戻っています」

各局の報道も同じようである。


テレビを見る巫女たちの表情にも安堵が広がっている。

「とにかく最大の脅威はなくなったんだ」美紀

「私たち、宝珠の中にいて何もしなかったけど、良かったのかな」由香利

「まあ、出ようにも出られないし、出たところで叶う相手じゃない」ルシェール

「とにかく、見守るだけで良かったのかな、そんな感じなのかな」春奈


華奈は、ピアノの上に置いてある光のスマホが光っていることに気がついた。

飛び跳ねるようにダッシュ、スマホを取り、ついでに電話に出てしまった。

途端に楓の大声が聞こえて来た。


「もーーー!どうして私を奈良にを、置きっぱなしにするの!」

「私なんかね、春日様の寒―い本殿で、年増巫女たちと御祈祷だよ、全くねえ!」

「私だって、たくさんの八部衆とか天使様とかアポロ様とかイエス様とか見たかったよ!」

「どうせ、都内の巫女組っていってもね、お地蔵様の宝珠の中で見ているだけでしょ!」

「そーーんなの、誰でも出来るって、ああ、まったく光君って意地が悪い!」

「それに何さ!」

「どうして首相と官房長官から、お煎餅が私宛に送られてくるの!」

「それにさ、このお煎餅、超美味しいって、食べるの止まらないじゃない!」

「また、太らせる気!全く今度来たら、丸薬デカイの飲ませる!」

「お花見の時期なんて、のん気なことを言っていないで、卒業式終わったら、どんどん帰って来なさい!」

「来なかったら私がそっちに行くよ、二階の和室の洋酒、全部飲んじゃう、光君介抱してね」

・・・・・・・・・・・・・

楓の「お叱り」は、しばらく続いたが、突然切られた。


その後、圭子から丁寧な「お詫び」の電話があった。


「もうね、やかましいからスマホ取り上げて切っちゃった」

「それから、光君とみんな、ありがとう、お疲れさま」

「もう、阿修羅以外の八部衆は全員、像に戻ったよ、ただ、いつでも出るってブツブツ言っているみたい」

「金剛力士さんは、もう少し都内にいるのかな、お相撲したいらしい」

「お花見楽しみだなあ」

圭子は、そう言って電話を切った。


「はぁーーーある意味予想通り」春奈

「あそこまで言うことない」華奈

「太るの嫌だったら食べなきゃいいのに」ルシェール

「でも、私、楓ちゃんが面白い、お友達になれそう」由紀

「そうだねえ、勉強頑張ってもらって、都内組増やそう」由香利

様々、話をするなか、概ね巫女たちは、ご機嫌らしい。

何しろ、戦闘に勝利したこと、諸神や天使たち、イエスまで見られたことに感激をしているようだ。

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