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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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光の家で巫女が合宿?そして特別の和室?

「さて、私は頬を張る係なんだけど、それは後でのお楽しみ、まずは食事にしましょう」

「とにかく光君、お疲れさま」

ルシェールは華奈から光の身体を奪い取った。

そしてそのまま抱きしめている。


出遅れてしまった巫女たちの反応は、様々。


「むむ・・・まあ、寒かったから単なる暖房機だ」春奈

「でも、あんなに強く抱くと、光君の背骨が折れる」由香利

「身体のバランスから言えば、私が一番光君にちょうどいい」由紀


「ほらほら、いつまでも暖房機していない!早く食べようよ!」

ほとんど料理では「戦力外」であった華奈であるけれど、取り分けだけは速い。

怒り顔のまま、ビーフシチュー、サラダ、焼き立てのパンをテーブルに配置していく。


ある意味、不穏な雰囲気の中、昼食は終わった。

ソフィーは、公安調査官の仕事があるため、再び政府に戻ることになった。


「ああ、もっと居たいんだけど、しょうがない」

「でもね、光君ってね、膝の上で眠る顔ってさ、子供の頃から何も変わっていない」

「本当に可愛かったよ」

ソフィーは嫉妬顔で光とソフィーを見比べる巫女たちに、出かける間際に、更に強烈なパンチを与えた。


「光君ね、私の心臓の音まで聞いてくれた、今でもドキドキしちゃう」

結局ソフィーは、ルシェールが光を抱きしめてしまったため、腹いせまぎれに隠し通そうと思ったことを言ってしまった。

ただ、ソフィーにも一定の恥じらいがあり、あえて、「お腹が鳴る音」は言わなかった。

そして、光が全員からお尻を蹴りあげられる姿をフフンと見ながら、ブルーのワーゲンに乗り込んだのである。



「それでさ、光君、もうしようがないからさ」

春奈は、ソフィーが出かけた後、真顔で光に切り出した。


「え?何?」

光は、いつものキョトン顔になった。

 

「ほら、そこでキョトン顔しない、膝枕もごまかさない」

ルシェールも真顔であるけれど、光には、何だかわからない様子。


「外出禁止令でさ、寒いからさ・・・」由香利

「今日は家が遠い人は、全員光君の家に泊まることした」

由紀の言葉で光は、ようやく意味がわかった。


「ああ、そうだね、明日のこともあるしねえ・・・」

「その方が安全だね、でも、そうなると・・・」

光は二階を見上げた。


「父さんの部屋は、由紀さんと由香利さんだね」

「母さんの部屋は、いつもの春奈さんとルシェールかなあ」

ブツブツとつぶやいている。

その言葉を聞いて華奈が真っ青になった。


「え?光さん!私は?」

華奈の顔が本当に必死になった。

しかし、いとも簡単に他の巫女たちから反発を受ける。


「あのね、目と鼻の先でしょ?遠くないでしょ」由香利

「こういう時だから、ちゃんと帰らないと、お母さんに怒られるよ」由紀

「そもそもベッドが足りないんだからしょうがないでしょ」ルシェール

「まあ、残念だけど、お家に帰りなさい」

春奈の言葉で、華奈はガックリと肩を落としている。


「ベッドはないけれど・・・」

光は、突然、春奈の顔を見た。


すると、春奈は、少し焦ってしまう。

「まさか、あの和室?」

春奈は、ほとんど滅多に使わない広い和室があることを知っている。


光は時々掃除で入るらしいけれど、春奈自身はほとんど入ったことが無い。


「うん、コタツもあるし、布団は密封してあるなあ、冷暖房もあるよ」

「華奈ちゃん、泣き顔だしさ、可哀そうだから美紀叔母さんに来てもらってさ」

特に華奈にとって、特別うれしい言葉になった。

他の巫女は、ある意味ガッカリ、しかし光の優しさを実感することになった。


春奈もどうにも出来ず、美紀にメールを打った。

そして、すぐに返事が来た。


「美紀さんも来るって、その和室も興味あるし」

「何か、メチャクチャに面白い部屋みたいだよ」

春奈は華奈への反感が消え、興味津々の顔になっている。

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