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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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銀座にて(9)華奈の演奏に神の力?

「さて、準備出来ましたよ、四丁目近くの楽器店に頼みました」

阿修羅とミカエルの会話に、観音様の巫女ソフィーが割って入った。


「あ、出来た?」阿修羅

「もう、音楽神様たちは、楽器を持っているのかな」ミカエル

「はい、既に持って早く来いって」

ソフィーは、少し笑っている。

「じゃあ、警備は頼むよ」

阿修羅の声が聞こえたのはここまでだった。


天使長ミカエルが乗り移った警視総監が頷く中、光は楽器店の前の小さなステージにあるピアノの前に座った。


「さて、みんなが踊れる曲にしよう」

光は、いきなり「恋チュン」を弾き出してしまった。

他の音楽神たちも、全く自然に音を合わせている。


「えーーー?まさか光君があれ?アイドル知っていたの?」

春奈は少しあわてた。


「音楽神たち、上手すぎる!」

由香利は、まず音楽神たちの演奏に驚いた。


「ケンダッパのヴォーカルが最高!」

ルシェールも同じくビックリしている。


「もう、歩いている人、踊り出している!」

由紀は周囲の歩行客の踊りに注目した。


「あーーーミニスカートにすべきだった!」

華奈は我慢ができなかった。踊りだしてしまった。


「もう、聞いちゃいられない、踊る!」

春奈も、日頃の華奈への文句などは関係なかった。

同じように踊りだしている。


「わーーーすごく踊る人多いよ!」

由香利は、単に周囲だけではなく、大群衆が踊っていることを把握した。


「ソフィーも警視総監も踊っちゃっている」由紀

巫女たちの驚きも当然、凄まじい大群衆が踊っている。


「いやな気分が吹っ飛んだね」春奈

「ほんと、言いがかりもいいところさ」由香利

「でも、これほど盛り上がると一曲で終わらないよ」由紀

「うーん・・・光さんに任せるしかないなあ」華奈

「なんとか出番が無いかなあ・・・」ルシェール


少々の不安を残したまま、演奏は終わった。

途端に、大拍手とアンコールの声が凄まじい。


「じゃあ、ちょっと落ち着く曲にするかなあ」

光は突然、華奈を手招きした。


「え?楽器ないよ、それに、こんな大勢の前で弾けないって・・・」

華奈もさすがに、この大群衆では、しり込みをする。

しかし、光の手招きは続いている。


「ほら、滅多にないチャンスだよ」春奈

「大丈夫、音楽神がたくさんいるんだから」由紀

「何とかなります、安心して」ルシェール

「ほら、サカラがヴァイオリン持っている、さっさと行きなさい」

華奈は最後に、由香利に、お尻を叩かれてしまった。

真っ赤な顔をして、ステージにあがり、サカラからヴァイオリンを受け取った。


「さっき、可愛いって言ってくれたから、お礼しなきゃ」

サカラは華奈にヴァイオリンを渡しながら微笑んでいる。

華奈は、ますます真っ赤になった。


「・・・光さん、怖いよー」

それでも、華奈の膝は震えてしまっている。


しかし、光は笑っている。

「いつもの通りでいいよ、僕がついている、安心して」

そして、そのまま、華奈と練習しているバッハのヴァイオリン協奏曲を弾き出してしまった。


「うん、光さんに任せる」

もう、こうなっては仕方がない。

華奈は目を閉じて弾き出した。



「え?どうして?」春奈

「いやーー音が本当に響いているし、きれい、どうして?本当に華奈ちゃん?」由紀

「うん、本当は、清らかな華奈ちゃんの音楽だなあ、浄化される」由香利

「ぜったいマグレと思うけれど、いい演奏です」ルシェール

四人のあっけにとられている巫女の隣にソフィーが立った。


「うん、今は音楽神の力が華奈ちゃんに、注がれている」ソフィー

「そうだね、あのヴァイオリンも天上の楽器、今だけさ」ミカエル

「阿修羅は、心の浄化を表現したかったのかな」春奈

春奈の言葉通り、大群衆がバッハに聴き入っている。

中には、感極まって泣き出している人もいる。


「いや、これじゃ私もかなわない」

晃子がいつの間にか、楽器店の前に来ていた。


「華奈ちゃんの光君を想う気持ちがキラキラしている」由紀

「じゃあ、あきらめるの?」由香利

「まさか、この時限り」由紀

「ほんと、マグレです、ありえないくらい上手ですし」ルシェール

「本当の実力じゃないし」ソフィー

多少、ミカエルが呆れる中、光と華奈のバッハ演奏が終わった。


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