表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
阿修羅様と光君  作者: 舞夢
358/419

光VS総合格闘技

「由香利さん?いきなり?」

腕を強引に組まれ引きずられている光は顔が真っ赤になっている。


「ああ、とにかく急いで、バトルが始まりそうなの」

由香利の顔が蒼くなっている。


「バトルって三年生のクラス?」

光が由香利に聞くと


「うん、斎藤さんに突然絡んだ人がいるの、後ろから首を絞めている」

由香利は、驚くようなことを言ってきた。


「え?斎藤さんって強い人だよ、そんなこと出来る人がいるの?」

光は不思議だった。

いくら突然とはいえ、斎藤は全国大会二位の強い柔道家、将来のオリンピック候補。

そんな強い斎藤に後ろから組み付ける人がいるのだろうか、光は首を傾げた。


「うん、グレイシーなんとかを習っているらしい石井って学生、もともとは柔道部だったんだけど、一年生の時に斎藤君に思いっきり投げられて、柔道部を退部、その後グレイシーを習っているんだって」

「とにかく、後ろから斎藤君の頭をボコボコ殴っている」

「危なくて見ていられない」

由香利の顔は、蒼白になっている。


そんな状態の中、由香利と光は斎藤がいる教室に着いた。

教室の周りには、多くの学生が群がり、教室の中では斎藤がうつぶせになり石井が斎藤の首を絞めながら、その頭を殴りつけている。


「顧問の山下先生は?」

光は由香利に尋ねた。

光としては、まずは、柔道部顧問が事を収めるのが筋だと思った。


しかし、由香利は首を横に振る。

「うん、先生は出張中、だから斎藤君をいきなり襲ったのかもしれない」

その由香利の言葉の最中にも、石井は斎藤の頭を殴り続けている。

見守る学生の中から、悲鳴があがっている。


「しょうがないなあ・・・」

ついに光は斎藤と石井の前に立った。

その光を石井が見た。


「おお!来たか!光!」

「強い強いって言ってもな、柔道なんか、こんな程度だ」

「結局一番強いのは総合さ、全ての技術で相手を倒す」

「打撃専門、組み技専門なんて、総合から比べれば子供だましさ」

石井は、せせら笑いながら、斎藤の後頭部や耳を殴り続けている。

斎藤は既に出血してて、床に血が流れている。


「そもそも、トラブルの原因は何ですか?」

「石井さん、こんなことすれば受験どころか刑事事件ですよ、それわかっていますか?」

光は石井に問いただした。

既に廊下には春奈、華奈、公安調査官のソフィーが立っている。


「刑事事件?馬鹿言うんじゃない!」

「そんなことに出来るんだったら、どうぞやってみてくれ、あくまでも正当防衛だ」

石井は光の言葉をせせら笑い、斎藤を殴り続けている。


「あ、わかった、石井さんって」

廊下の学生たちが囁きはじめた。

「うん、親が弁護士協会の幹部なの、それと野党の政治家とかA新聞と親しいんだよね」

「それでかあ・・・」

「何でも出来るって思っているのかなあ、何でも言いくるめて無罪にできるって」

「そうだよね、ほんと彼って思い上がった言動が多いもの、それか・・・原因って」


光は廊下の学生たちの言葉など、何も聞かない。

再び石井に原因を尋ねた。

「とにかく、トラブルの原因を教えてください」

光の目が輝きだしている。


「ふん、仕方がない、ただ、俺は悪いことはしていないぞ」

「あくまでも正当防衛だ」

石井から信じられない言葉が飛び出した。


「この弱い斎藤がな、柔道雑誌を授業前に読んでいたんだ」

「だから、そんなダンス柔道なんか弱いって言ったのさ」

「そしたら、ものすごい目つきになって、俺を睨み付けて斎藤が立ち上がって、おれの前に立った」

「もう凶暴な目付きさ、それだから俺は身の危険を感じて、後ろに回って斎藤の首を絞めたのさ」

石井は、全く悪びれる様子はない。


「それで投げ飛ばされないように、後頭部や耳を殴るんですか」

光は再び石井に問いただした。

「ああ、当たり前だ、これは正当防衛だ、こいつが謝るまで殴るのさ」

石井は斎藤の後頭部を殴り続けている。


光は、その後何も話さなかった。

いきなり石井に近づき、石井の右手首を取った。


「うわ・・・」

「合気?」


石井は、床に転がされ腕を極められている。

ただ、手首を動かされただけなのに、完全に腹ばいになり、全く動くことが出来ない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ