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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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由香利の気配り 華奈に不思議な反応?

「うーん・・・」

春奈は、うなってしまう。

「光君、顔が真っ赤だし・・・」

ルシェールは、光の顔の赤さに注目した。

「全ての実力が高い、女性として、光君の候補者として」

ソフィーは由香利の実力を認めた。

「欠点のカケラもない、私は欠点だらけ」

華奈は涙顔になった。


由香利は、しかも気配りがすぐれている。

新幹線の車内で、お手製の甘酒とお団子を全員に、さっと配ったのである。


「わぁ・・・甘酒、いいなあ・・・」春奈

「なんか、ほんのりです」ルシェール

「お団子がいい味だなあ、和風の極み」ソフィー

「ヤケドしないように、ゆっくり飲まないと、でも母さんのより美味しい」華奈

飲み物食べ物には、様々な反応を見せる巫女たちである。


甘酒とお団子を配り終わった由香利は自分の席に戻った。

光は、再び顔が赤くなる。

 

「どう?美味しい?」

由香利がいろいろ光に話しかけると、ますます光の顔が赤くなる。

 

「うん、美味しい」

「さすがですね、身体が温まります」

本当に月並みな言葉、しかし赤くなってしまった光には、それ以上の言葉を出すことが出来ない。


「ねえ、たまには、お話しようよ」

そのうえ、由香利は再び光の腕を組んでしまう。

途端に光の身体が硬直する。


「ほら、そんなに緊張しないの!」

「本当に長い付き合いなんだからね」

「さかのぼれば、千三百年前だよ」

由香利は不思議なことを言っている。


「それは、そうだねえ」

「みんな、長い付き合いばかりだけれど」

「伊勢様とは、もう、本当にいろいろとあったねえ」

光の口調が変わり変なことを言い出した。


春奈、ルシェール、ソフィーは二人の会話を聞きとろうと必死に耳をそばだてるけれど、全く聞こえなくなった。

おそらく、由香利が、かなり強い結界を張ったのかもしれない。

ただ、何故か華奈が反応をしている。

それでも、光と由香利の身体全体が輝いてしまい、見ることは出来ない。

そんな状態で新幹線は名古屋に着いた。


ここから近鉄に乗り変えになる。


席を立った由香利の変化は感じられない。

光は腕を組まれながら立ち上がる、けれど相変わらず赤い顔になっている。




「ふん!鼻の下伸ばしてさ、気に入らない」春奈

「確かに由香利さんの実力は認めるけれど、光君は赤くなっているだけ、憧れと愛は違うの、やはり愛と言ったらルシェールさ」ルシェール

「本当に女性神としての実力は、霊界というか神界の中でも最上位なんだ、でも簡単には光君の心は落とせない、まだまだソフィーにもチャンスがある」ソフィー

「みんな強力過ぎて格上だけど、光さんはきっと華奈を選んでくれる、そう信じて精進あるのみ」華奈

近鉄車内で、巫女たちの内心では、厳しいバトルが展開されていたけれど、由香利も光も全く関心がない。


そんな状態の中、一行はついに伊勢院宮の内宮への入口、五十鈴川にかかる宇治橋にたどり着いた。


まず、伊勢大神の巫女由香利が説明を始めた

「宇治橋は、日常の世界から神聖な世界へ、そして人と神とを結ぶ架け橋と言われています」

「この正面に立つ大鳥居の姿を眺めてください」

「すべての人々の心を洗い、身も心も正して清浄な宮域に入る心構えの大切さを感じさせてくれます」

「内宮のお参りは宇治橋の前で一礼し、緑豊かな神路山、島路山の四季の移ろいを感じながら宇治橋を渡ることから始まります」


「うわー・・・なんか、すごい」春奈

「モヤモヤが消えました」ルシェール

「本当に神聖な世界に入っていくような・・・」ソフィー

「うん、そうなんだけど・・・あれ?初めて来たのに?」

華奈は、少し首を傾げている。


その後、神苑、手水舎、五十鈴川の守り神の瀧祭神、内宮神楽殿、御酒殿・由貴御倉などを経て、いよいよ皇大神宮の参拝となった。


再び由香利の説明が始まる。

「この皇大神宮は、皇室の御祖神であり日本人の大御祖神である天照大御神をお祀りしています」

「国家の守護神として崇める伊勢信仰は平安末期より全国に広がりがみられ、現在でも全国の神社の本宗として特別に崇敬を集めています」


「うん、ブルブル震えて来た」春奈 

「完璧な造形、まさに神の御業ですね」ルシェール

「私も日頃のストレスが全部なくなった」ソフィー

「うーん・・・うーん・・・」

ただ、華奈だけは少し変わった反応を見せている。

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