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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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ソフィーの警護で登校

「ああ、光君の通学の警護ですよ」

「学園までね」

聞かれたソフィーは笑っている。


「え?マジ?」

光は驚いている。


「これから毎日?」

春奈も驚いた。


「うん、毎日私じゃないけどさ、誰か警護する」

光と春奈の驚きはともかく、ソフィーは全く落ち着き払っている。


ところが華奈が突然ソフィーに抗議を始めた。

「ソフィーさんならいいけど、他は怖い顔した男の人にしてください」

華奈は、真顔になっている。


「え?どうして?」春奈

「きれいな女の人だと、光さんは、どこにでもヘイヘイホイホイついていくから、危険なんです」

華奈はますます真顔。


「あのさ、それってさ・・・警護の意味わかっている?」

春奈は、呆れた。


ソフィーも呆れた。

「そもそもね、ちゃんと華奈ちゃんが、光君に好かれるように、努力すればいいんじゃないの?たとえば、光君に美味しいお弁当を作って来るとかさ」ソフィー

「光君に、もう少しやさしい声掛けをするとかさ、大声三連発ばかりじゃなくてさ」

春奈も続いた。

「ちゃんとダンスくらい覚えるとかさ」ソフィー

華奈が、ますます涙目になるくらい、春奈とソフィーの指摘は厳しい。


「もう・・・二人ともお母さんみたいなこと言っている!」

今度は、華奈がむくれてしまった。

ほぼ、強引に光の腕を組み、そのまま駅まで引きずっていく。


「ねえ、春奈さん、毎朝、こんな感じ?」

ソフィーは春奈が可哀そうになった。


「うん、華奈ちゃんの気持ちはわかるんだけどねえ・・・」

春奈もため息をつく。

「七味を三倍にしても、わからないんだろうね」

ソフィーは、さすが、観音様の巫女、しっかり読んでいる。


「光君が、あの子じゃ、強引過ぎて疲れちゃうかも」春奈

「そうなると、ルシェールかなあ・・・奈良町系だとね」ソフィー

「そうでもしないと、由紀さんか由香利さんかあ・・・」春奈


そんな話をしながら四人は駅に着いた。

通勤通学ラッシュの時間帯でもあり、ソフィーの「警護上の指示」で、華奈は渋々舞夢から腕を離した。

それでも、ピッタリと横に立って歩く、それは学園の校門前まで全く変わらなかった。


「でもね、華奈ちゃんが、ピカピカに可愛いから、他の女の子から声がかけづらいという面もあるので」春奈

「うん、それは確かだよ。可愛さと反応の良さはピカイチさ」ソフィー

春奈もソフィーも華奈の「効果」は認めている。



さて、学園内に入ると、九月当初と同じ、光に大きな拍手となった。


「うん、クリスマスのコンサートかなあ」

光も気づきうれしそうな顔になる。

「ああ、それとね、清水君の事故の関係かな」

ソフィーの視線の先には、松葉杖で立っている清水とその両親がいる。


「ああ、あの話、広がっているのかな」春奈

「昨日の国会でも、新聞社と警察署はこっぴどく追及されていたね」華奈

「え?華奈ちゃん、国会のニュースを見るの?」ソフィー

「当たり前ですよ、もう、子供じゃないんだから」

華奈は自慢げな顔をする。


「まさか、たまたま美紀さんがテレビをつけたんでしょ?聞いたよ」

しかし、春奈によって、華奈の自慢話は、あっけなく破たんを迎えた。

ただ、そんな話をしていると、光は既に清水の前にいる。


「ああ、清水さん、何とか歩けるように?」光

「うん、本当にありがとう」清水

「本当に光さんや校長先生、そしていろんなお方のお世話になって、しっかりお礼も出来なくて」

清水の両親はソフィーと春奈、華奈にも頭を下げている。


少しして、校長と由香利、由紀も顔を見せ、校長室で事件に関係した者たちで話をすることになった。


清水と清水の両親からは、再び丁寧なお礼がなされた。


「いやいや、何とか学園まで来られるようになってよかった」

校長も、安心した様子である。

「いや、急な話で、本当に驚きました、でもこの程度で」

光も、本心である。

春奈、由香利、由紀、華奈も頷いている。


「私も公の身分で、ある意味身内にも属するのですが、本当に申し訳ない、厳正な処分を行います」

ソフィーも神妙な顔である。


「うん、その後、ああいった警察官の追跡による事故が全国的にかなり減ったそうです、A新聞の論調も今のところは、自己批判と反省が主ですね」校長


「ただ、特にA新聞の場合、いつの間にか、それが逆になり、政府の責任にすり替えるのかわからない」光


「まあ、とにかく、ここの学園の生徒には、不用意な言動を特にマスコミには控えるよう、通達を出します、自衛措置としてね」校長


「まあ、これから受験期ですし、生徒たちが安心して勉強や受験に備えられるように、しっかりとしたケアは必要です」

春奈は、さすが保健の教師、学園内の生徒の動揺を最小限にしなければならないと思った。


そして新学期初頭の校長の訓辞は、春奈の考えと同様の趣旨となった。

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