さて、光は成長したのか? 宴会での過去動画
大晦日のメンバーに加え、元旦からナタリー、ニケ、ソフィー、ルシェールが加わり、夜は大宴会となった。
「うん、こういう気兼ねがない正月もいいなあ」圭子
「毎年でもいいよ、これなら、気合が入る」奈津美
「来年は、光君は受験か・・・」美紀
「でも、ほとんど決まっているしさ」美智子
「問題は楓かなあ・・・」圭子
「連れてくるだけで、一人だけ勉強させる?」ナタリー
「ソフィーが厳しく仕込む」ニケ
「ああ、それ、いいかも、あの子にはそれぐらいがいい」圭子
楓本人の了解もなく、来年の正月の予定も決まってしまったようである。
「でもさ、光君、少し強くなったのかな」
春奈は、母美智子に、感じていることを聞いてみた。
確かに夏以前の、ひ弱さやいい加減さが、減ってきていると思っている。
今日の苺摘みにしても、全く予想外であった。
そもそも、光が「土いじり」をすること自体が、不思議なのである。
「そうだねえ・・・」
美智子も目を細めて光を見ている。
「何かな、ちょっと芯が通ったような感じかなあ、秋に逢った時は、まだひ弱さがあったんだけど」
「これも、みんなのおかげさ、決して春奈だけの力じゃないよ」
春奈にとって「余計」なことを言いながら、母美智子も光の、「ある程度の成長」を認めているようだ。
「輝くような可愛らしさが少しだけ戻って来たよ」
美紀もその話題に反応した。
「秋にさ、奈良に帰る時、光君の隣に座ったの」
「その時は、まだ危うかった、可愛いんだけど沈んでいた」
「今は、光っているし、すぐに倒れる兆候はない」
美紀はほっとした顔になっている。
「奈良の教会で見た時は不安だった」
ナタリーが話し始めた。
「とにかく、光君の好きな味付けを考えて、いろいろ作ったの」
「ルシェールから聞いてね、怖いほど顔が蒼いって聞いていたから」
「とにかく食べさせないとって思ってね」
「それでも食べた量は、高校二年生の男子としては、少なすぎると思った」
「でも、今は自分から料理に手を出しているしね」
ナタリーは、光の食べる姿がうれしいようである。
「鎌倉に来た時は」
今度はニケが話し出した。
「ずっと北鎌倉から歩いて、顔にもヘトヘトって書いてあった」
「でも、ニケの前で、そんな顔は許せないと思ってね」
ニケは、少し笑った。
「もう、マルコ神父に怒られるぐらい、強引に食べさせたの」
「ああいう引っ込み思案な子は、そうでもしないとね」
「でも、さすが奈津美ちゃんだ、光君の心を上手に開いている」
ニケは、奈津美の力を、高く評価しているようだ。
「まあ、いろいろ心配してくれてうれしいよ」
圭子が全員に頭を下げた。
「とにかく、今回の闘いは、負けることはないけれど、半端じゃない」
「阿修羅もあちこち、声をかけているぐらいだから、こっちも本気を出さないと」
「また、みんな頼むよ」
再び圭子が頭を下げると、母親連中と春奈は、圭子に頭を下げた。
ただ、奈津美と子供たちは、大広間の大画面の前に集まり、何かをセットしているようだ。
「うん、史兄さんから、動画が送られて来たの」
奈津美が、子供たちと協力して、パソコンを大画面プロジェクターにつなぐと、さっそく動画が始まった。
「うわ!これ?奈良町?昔?」
光が、大声をあげた。
確かに、十年ぐらい前の奈良町の画像になっている。
「ほんとだ、みんな若い!」圭子
「そうか、光君が小学校入学の時に春日大社に来たんだよね」美紀
「あ、菜穂子さん笑っている」美智子
「史叔父さんだあ!迫力あるなあ」楓
「光君、飴しゃぶっている!可愛い!」
春奈の発言まではよかった。
・・・が・・・しかし・・・
「あれ?楓ちゃん、太っていない」
やはり、華奈は余計なことを言ってしまう。
「うるさい!大きなお世話」
これには楓もむくれている。
「でも華奈ちゃん・・・お母さんによだれ拭いてもらっているし・・・」ルシェール
「そうなの・・・子供の頃から、鹿せんべいでもよだれなの」美紀
「え?あれ、ソフィーとルシェール?お人形みたい!」春奈
「それにしても、美紀さんは美人だなあ」美智子
「そうかなあ、私には負ける」
華奈が反発するけれど、誰も聞いていない。




