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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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伊豆の温泉でのお正月計画

翌朝、特に春奈にとっては、気持ちのいい目覚めとなった。

とにかく、昨日の光からの言葉、「春奈さんとは一番古い」「安心できる」「華奈ちゃんとは千年ぐらい」が、うれしくて仕方がない。


「そうかあ、やはり本当に古くからの妻は、この春奈さんだったんだ」

「観音様よりも古い・・・」

「華奈なんか千年?まるで相手にならないし、今の世でも、それだから相手にならないんだ」

「今の華奈の状態なら、光君のお嫁さんなんか、絶対無理だし」

「まあ、由香利さん、由紀さん、特にルシェールは強敵だけど」

「それでも、当分光君を独占できる、私は特権があるのさ」

本当にうれしそうに、朝食を作っている。


「うーん、今日ぐらいは平和かなあ」

少しのんびりした声で、光が二階から降りて来た。

いつものように、珈琲二杯分の豆を挽き、丁寧に淹れテーブルの上に置いた。


「そうね、毎日事件ばかりじゃ疲れちゃうしね」

春奈は、焼き立てのパンを光のお皿に乗せた。

久しぶりのパン食の朝食になっている。

実はパン焼き釜も、光の家には有った。

それも、光の父、史の手作りで、使いなれるとかなり使いやすい。


「うん、このパン美味しい」

光は、うれしそうに食べている。


「お父さんが作ったんでしょ?あまり使わなかったの?」春奈

「うん、面倒だしさ、一人だと焼いてもしょうがない」光

「だって、こんなに上手に焼けるんだから、使おうよ」春奈

「うん、そうするかなあ、今までそんなこと考えなかった」光

「私もずっと気になっていたパン焼き釜なんだけど、いつもは学校の準備で忙しかったし」春奈

「そうだねえ、こういう冬休みとか、時間がある時はいいかなあ」光

春奈と光の平穏な会話が続いている。


たいていは、こういう平穏な会話が続いていると、何かしら予想外の事件や、華奈、ルシェールなどが登場するのであるが、特に兆候はない。

ルシェールは新年のミサの準備、由香利は受験勉強、また由紀は寒川神社の巫女のバイトで忙しい。


華奈だけが何もないはずなのだが、実は華奈は忙しかった。

華奈の母親美紀から

「まず、自分の部屋の掃除、整理整頓」

「それが終わったら、家の中の掃除」

「その後は、庭の草むしり」を厳命されてしまったのである。

美紀の厳命は、他にも、楓にとって「重し」となることがあった。


「その後は、料理の実習」

「全てが、きっちり終わるまでは外出禁止」

「今の華奈の状態なら、光君に絶対に相手にされないよ」

「だいたい、あなた、光君にデートに誘われたことないでしょ?」

特に、最後の言葉が楓にとって、重たかった。

華奈は、涙目になりながら、必死に「厳命」をこなすのであった。



奈良町の圭子や楓は「光には内緒」で、その日の夜に、美智子や美紀、春奈、ニケと連絡を取りあっている。

といってもネットのSNSを使っての会話らしい。

その中身は、光とのお正月の相談である。


「そうねえ、奈良には来ないだろうしさ」圭子

「でも、光君の家でまた全員というのも、どうかねえ・・・」美紀

「うん、私だって正月くらいは、春奈と迎えたいしさ」美智子

「そうなると・・・逆に、奈良と杉並から全員離れちゃうとかどう?」楓

「うーん、光君が家から離れるかなあ・・・」春奈

「菜穂子さんの写真を持って・・・菜穂子さんに縁があるところに行こうよ」

美紀が思い切った提案をする。


「ああ・・・そうかあ・・・その手があるね」

ニケは美紀の意図をすぐに察した。

「伊豆だっけ、菜穂子さんの妹さんが嫁いだ場所って」

美智子もわかった。

「うん、温泉旅館らしいね、奈津美叔母さんのところ?」

楓は、懐かしそうな顔になる。


「富士山がきれいに見える、いい温泉だよ、料理も美味しい」美紀

「あ・・・それで光君、温泉にでもって話だったんだ」

春奈は、光がポツリと言ったことを思い出した。

「へえ・・・じゃあ、いいかなあ・・・温泉入りたい」

楓は途端にウキウキしている。

「楓は、そこで温泉ダイエットだな」

楓の母圭子は、すぐに牽制する。


「でも、お刺身食べ放題で太るかも」美智子

「今から予約取れるの?ところでさ」

それでも美紀は急な話を心配した。


しかし、圭子がすぐに連絡を取り、奈津美からOKが出たとのこと、それで正月の話は、ほぼ、決まりのようである。

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