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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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横浜を散歩

「せっかく横浜まで来たので、中華街とか元町、山手を歩いて帰ります、今日はご馳走さまでした」

光は、首相と坂口に頭を下げ、中華料理店の入り口で別れた。

結局横浜でも、再び巫女集団、ピエール神父との散歩となった。


圭子たち、奈良の巫女集団も付き合うようだ。

ただ、巫女集団たちは、中華街を歩き始めるなり、あちこちの店に入って、様々なものを買い求めるので、散歩の効率が悪いことこの上ない。


「まあ、特に奈良だと、中華街ってないしね・・・」由紀

「うん、奈良にも中華料理店あるけれど、ここほど美味しくない」楓

「東京だと立川とかにもある、ここよりも小さいけれど」華奈

「・・・そうやって、都会ぶるし、気に入らない」楓

「・・・なあに?やっかみ?」春奈

「ふん、来年は春奈さんを追い出して、光君と住むから、東京に詳しくなるぞ」楓


「あのねえ・・・それってさ、この前も言ったけれどね、何重ものハードルがあるの」

春奈は呆れ顔になった。

「いい?」

そして、突然説教を始めた。


「まず、大学に合格できるほどの学力・・・圭子さん、この間嘆いていたけれど・・・」

「次に、光君の承諾・・・春奈さんと楓ちゃんのどっちを選ぶかもあるしさ、とにかく私から、あの家を出ることないよ、楓ちゃんだと光君に厳しすぎるしさ」

「肝心な料理だってさ・・・奈良の料理すらちゃんと出来ないのに・・・」

春奈は様々、説教をするけれど、楓は何も聞いていない。

話の途中から、土産物屋に入ってしまう。


「うーん・・・まだ、そこまで心配しなくてもいいのでは」ルシェール

「再来年の四月ですしね」由香利

「結局、春奈さんと楓ちゃんと光君の三人で住んでいるような気がする」由紀

「うん、未成年だけだと心配なの」

春奈は、真面目な顔になる。


・・・が・・・しかし・・・


「うん、それはそうですね・・・でも、春奈さんの代わりに、私でもいいかなあ」

ルシェールが、名乗りをあげた。


「・・・う・・・超強敵・・・」由紀

「・・・いやー・・・・聞き流せないなあ・・・」由香利

「うーん、それでも、私は遠い従妹、楓ゃんは近い従妹だし」

春奈は、必死の抵抗をする。

ルシェール、由紀、由香利はそれでも、「血のつながり」がないという大きな壁に、言葉を出し切れない。


「全ては、光君次第かなあ・・・」

ルシェールが光を見ると、光は突然歩き出した。


「え?どこに行くの?元町方面?」由紀

「でも・・・あ・・・足が止まった」由香利

「何か露店というか店先で」春奈

「行こう!」

突然、楓と華奈が土産物から出て来た。

それに呼応するように、母親たちの巫女集団も出て来た。


「へえ・・・珍しい・・・中華のパンなんだ」

楓は、光に聞いている。


「うん、油条っていって、中華のお粥にも入れる、前に春奈さんが作ってくれてうれしかった」

光は素直に答えている。


「へえ、覚えていたんだ、うれしいな」

そんな光の言葉を聞いた春奈は、顔が真っ赤になった。


「・・・私、それ聞いていない、食べていない」華奈

「春奈さんは、どうにもずるい、光君を独占し過ぎ」ルシェール

「夏に倒れた時に、もう少し、けん制をするべきだった、うかつだった」由紀

「今度内緒で、光君と食べに来るかな」由香利

様々な声が飛び交う中、光と巫女集団は、油条以外の中華パンも買い求めていた。

すなわち焼餅、中華カステラ、肉まんじゅう他、本当に種類、量とも多く、店頭のものがほとんどなくなってしまった。



さて、光たちの一行は、元町に入った。


「うわーかっこいい!ヨーロッパの街みたい!」

楓は奈良町とは全く異なるハイセンス、キラキラ感にときめいてしまっている。


「お洒落だなあ・・・」

春奈も、実は横浜元町は初めて。

ここなら、光と二人きりで来たかったと思うけれど、その思いはすぐに打ち消される。


「私のようなお嬢様向けの街だ」

華奈が、ここでも、不用意な発言をし、飛び跳ねて歩いている。


「・・・全く・・・無意味な感想だ」由紀

「華奈ちゃんならではですね」ルシェール

「はしゃぎ過ぎ、一緒に歩いていて恥ずかしい」美紀

「少し離れて歩くかな」由香利

「ああいう、利益誘導型のことばかり言うから馬鹿にされるの」春奈



結局、華奈は大ヒンシュクを買いながら、光の近くを全く離れない。

ただ、飛び跳ねて歩くので、光は少し呆れて笑っている。


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