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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
234/419

第234話和気あいあい? そしてクリスマスコンサートへ

「とにかく光君しだいかな」

春奈は黙々と食べ続ける光を見ている。

というよりは、光の皿が空になるたびに、ニケが焼いたものを乗せる。

光としては、食べるしかない状態が続く。


「さて、お待ちかねです」

おそらく特別のもの。

ルシェールがクーラーボックスから大きな箱を取り出した。


「わあ・・・あれかあ・・・」圭子

「さすが、ナタリーの娘」美紀

「うん、懐かしいし、ナタリーしか作れなかったのに、さすがルシェールだ」美智子

母親たちは、興奮している。


「よいしょ、光君、そっち持って」

ルシェールと光が協力して大きな箱をテーブルに置いた。


「わーーーこんなに大きなアップルシャーベット見たことない!」楓

「なんか、シナモンの香りがオシャレ」華奈

「こんなの懐かしいって、私は知らなかった」

春奈は少しムクレている。

ルシェールは光と協力して、上手に取り分けている。


「ふん、これでルシェールが数歩先を行く」美紀

「見て興奮しているだけじゃだめ」美智子

「この味だけは、私は無理、楓なんか足元にも及ばない」圭子

娘たちを批判しながら、母親たちは美味しそうに、食べている。

ただ娘たちも、母親たちの批判など、何も耳に入らない。


「いいや、あんな薄情な母親たちなんか、関係ないさ」楓

「うん、食べたもの勝ち」華奈

「後でナタリーに作り方教えてもらって、光君と二人きりの時に食べる」春奈

「それは許さない、私も食べる」華奈

「あのね、食べるだけはだめ」楓

「でも、華奈ちゃんが作るとさ」春奈

「あ・・・わかる、お子ちゃまの味になる」楓

「全く・・・全員が裏切ものだ」

そう言いながら華奈は頭を抱えている。


「ほら、腹立ちまぎれに、口に詰め込み過ぎるからそうなるの」美紀

「そうやって、儚さを演出しても、光君気がつかないかも」春奈

「でも、華奈ちゃんのチャレンジ精神は好きだよ、可愛いもの」ニケ

「そうだねえ、元気はいいね、ハキハキしてさ」圭子

「光君には合っているかも・・・ってそうでもないか・・・」美智子

「いったいどっちなの?」春奈

「うん、まだ頭が痛いのか、演出かわからない」美智子


「大丈夫?頭が痛かったら寝ている?」

ここで光は不用意な言葉をかけてしまう。


「う・・・危ない・・・」春奈

「攻撃され過ぎて、反撃が怖い」ルシェール

「うーん・・・どうかなあ・・・」楓

「すぐに、馬脚を現すさ・・・」

しかし、さすがに母美紀は冷静。


光が近寄った途端、やはり、華奈は「馬脚」を現してしまう。


「ほら、ニンマリだし」楓

「あまりにも演出が幼稚」春奈

「華奈ちゃんらしい」ルシェール

結局華奈の、必死の抵抗は功を奏しなかった。




まるでクリスマスコンサートまで、合宿のような状態になっている。

料理もそれぞれ分担して作り、食の細い光も相当の圧力を感じるのか、必死に食べている。

家の中も、本当ににぎやかで明るい雰囲気に包まれている。

大聖堂での練習も順調に進み、ついに明日が本番となった。


夜半、阿修羅と地蔵が光の枕元に立った。


「さあ、明日ですな」地蔵


「うん、けっこうな闘いかな」阿修羅


「強い悪念を感じます」地蔵


「ああ、汚らしい悪念だ」阿修羅


「何とかこの時代で・・・」地蔵


「ああ、出現した以上は倒すさ」阿修羅


「まあ、最高神阿修羅に勝てるものなどはおりませんが、その後は継承者だけは残さないと・・・」

地蔵の声が低くなった。

そして、その会話はそこで途絶えた。



クリスマスコンサート当日の朝になった。

「さあ、今日は和食にしました」

圭子の考えで、典型的な日本の朝の朝食となった。

テーブルの上には、焼き魚、味噌汁、漬物、ごはんが並べられている。


「うん、美味しい」

楓が一言を言っただけ。

光を含めて全員が何も言わず食べている。

今日の朝に限り、華奈と美紀も一緒に食べている。

光以外は、全員の顔が緊張気味。

どうしても昨晩の阿修羅と地蔵の会話が気になっているらしい。

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