表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
阿修羅様と光君  作者: 舞夢
222/419

第222話地蔵の本願

翌日の登校から学園は大変な騒ぎになった。

合唱コンクール優勝の垂れ幕は当然のこと、学生たちは光や合唱部、軽音楽部からメインボーカルで参加した久保田や清水の周りに、群がって話を聞いている。

また、大手全国紙にも記事が写真入りで掲載され、今日は音楽雑誌数社からの取材が申し込まれた。


「まあ、取りあえず時間を区切って共同取材に」校長

「うん、あまり騒がれると、学生の勉強にも邪魔です、大切な時期ですから」

祥子は不安な顔になっている。


「でも、光君はインタヴューとかちゃんと出来るのかな」春奈

「ああ、光君は希望で写真だけにしました、それも全体の写真にします」校長

「音楽界にも、合唱界にも注目されちゃったし、今後大変かなあ」祥子

「そうですね、ただ、少し体力が落ちているかもしれません、また食欲が減っています」

春奈も別の意味で、不安な顔になっている。


「・・・そうなると・・・ちょっと・・・」

校長の顔色が変わった。

校長は春奈だけを別室に呼び、具体的な状況を聞くことになった。


「確かに文化祭、コンサート、そして合唱部のコンクールと立て続けだったから、疲れているかもしれないな」

校長は、春奈の顔を見た。


「そうですね。時折、変わったことをすると食欲が戻ることがあるんですが、あくまでもその時だけで」春奈

「もしかすると・・・」

校長は顔をしかめた。

そして十字を切り、壁にかけられたイエス像に何か、祈りの言葉をかけた。


「もしかすると・・・とは?」

これには、春奈も不安になる。


「はい、少しずつ念というのか、悪の念が近づいています」

「それに応じて、光君の身体の中の阿修羅が大きくなってきています」

「そのため、阿修羅が動くと精力も余分に消費し、疲れやすいのかもしれない」

「春奈先生・・・」

校長の目が光り、本当に真剣な顔になっている。


「・・・はい・・・」

春奈は姿勢を正した。

国内いや世界でも有数のエクソシストの言葉である、心して聞かなければならない。


「とにかく、雲行きが怪しい時、特に雨の日は、光君を外出させないでください」

「私も学園全体に指示を出します」

「とにかく、人の体力を奪う毒霧が降ります」

「・・・それから、恐ろしい・・・」

校長の身体が小刻みに震えてきた。


「ミノタウロス・・・そして吸血鬼・・・」

校長の顔面が蒼白となった。



「さて、コンクールとやらも終わり・・・」

眠っている光の枕元に、錫杖と宝珠を持った地蔵が立った。

いつもと異なり、錫杖と宝珠の形が明確に見える。


「うん、少しだけ手を出した」

阿修羅も枕元に立った。

阿修羅も顔が三面、手も六本になっている。


「そうですね、抑えられてはいましたが」地蔵


「ああ、勝負と聞くと我慢できない、ただ、体調が悪そうだった」阿修羅


「それにしても、まだまだ不安ですね」地蔵


「ああ、薬師の巫女に頼んで薬を飲ませているが、なかなか難しい」阿修羅


「それにしても一気にカタをつけることは、大変でしょう」地蔵


「まあ、それしかないのだが・・・」阿修羅


「あの姿からこの子に戻れるでしょうか?」

地蔵が不安気な声になった。


「いや、あの姿にはなる・・・それ以外には方法はない・・・」

「ただ、戻る時に、この子の身体は持つか持たないか・・・ギリギリかな」

阿修羅は厳しい顔をしている。


「しかし、これ以上、悪と暴虐をのさばらせることはできないと・・・」地蔵


「ああ、この世に出た以上は、阿修羅は人を救う」阿修羅


「この子がギリギリですね・・・」地蔵


「ああ、生きながらえても、その後が・・・」

阿修羅はますます厳しい顔になった。


「わかりました、後は、この地蔵におまかせください」

地蔵の声が低くなった。


「うん、いつも助かる、しかし地蔵さんが、こうして手伝ってくれるから」阿修羅


「それが私の使命、本願ですよ」

地蔵はフッと笑った。


「大丈夫、万が一を考えてあります」

地蔵は、最後に不思議なことを言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ