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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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第215話春奈vs母美智子 コンサート準備

春奈の母、美智子の口調は、まさに険悪。

「甘酒忘れたでしょ・・・全く気が利かない」美智子


しかし、そんなことを言われてもと

「書いてなかったじゃない」

春奈は反発する。


美智子もさるもの

「書いてなくても、送るのが当たり前、神田明神前の名物だもの」


「いまさら、そんなこと言われても・・・」

春奈とて、どうにもならない。

明日から学園で仕事、とても甘酒を買うぐらいで、神田明神まで行く時間はない。


「ふん・・・そうなると思ったから、楓ちゃんに言っておいたから手に入った」

美智子は嫌味たっぷりな言葉を続ける。


「どうして・・・そう性格が悪いの?」

春奈は、一つ一つ、落ち度を指摘してくる母美智子が、どうにも苦手。


「まあ、そんなことはいいんだけど・・・」美智子

春奈としては、だったら最初からそんなことを言わなければいいのにと思うが、ようやく話題も変わり、険悪な声が普通の声になった。


「これは、病院関係者しかわからないんだけどね」

母美智子の声が低くなった。

そういう時は、時々危険な場合がある。


「うん・・・」

これは、春奈も身構えた。

「あのね、すごく毒性が強い新型インフルエンザが流行りそう」美智子

「え?」春奈

「今は、南フランスとスペインあたりで流行っているんだけど・・・まだ日本の空港の検疫が対応していない」

「とにかく人の体力を奪うらしい」

美智子の声が真剣である。


「・・・日本に入ってきたら?」春奈

「うん、日本はおろか、まだどこにも抗体はない、だからかなり危険」美智子

「もしかして、もう、日本に入っているとか・・・」春奈

「うん、ナタリーの情報では神戸で少し変な症状が出始めている、潜伏期間も二週間ぐらいある」ナタリーは美智子にも連絡を取っているらしい。


「光君が感染したら?」春奈

「ああ、絶対倒れる、今までの光君ならね」美智子

「それだから滋養強壮?楓ちゃんの?」春奈

「うん、圭子さんとナタリーとも相談したの」美智子

「私たちとか学生は?対応したほうがいいかな」春奈

「うん、全く同じってわけにはいかないけれど、調合のレシピをメールする」

電話の後、早速メールが来た。


春奈は、そのメールを華奈の母美紀にも転送した。

また、学園内でも校長と相談し、音楽系の学生は当然、全学園の生徒が、飲むことになった。

ただ、丸薬だと非常に苦いので、少し甘め、スポーツドリンク風に改良を余儀なくされた。

光も、春奈アレンジの方を望んだけれど、「楓との約束」のため、無慈悲にも却下された。



さて、軽音楽部の学園ホールでのコンサートの曲が決まった。

プログラム全体としては、二部構成、第一部はジャズ、ボサノヴァ系、第二部は、ポップス・ロック系となった。

今後は、合唱部と音楽部の参加者を上手にアレンジの中で組み入れていくが、それは練習をしながらの取り組みとなった。


「まあ、一部は音を軽めに、二部から厚めにって感じかな」

祥子も練習をしていて楽しいのか、積極的に意見を出す。

何しろ、元音楽のプロ、歌もピアノもとんでもなく上手である。


「ボサノヴァの三曲は、定番のイパネマの娘、ウェイブ、ワン・ノート・サンバで、コーラスを四人、弦楽器はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロを四人ずつ、管楽器でトランペット、トロンボーン、クラリネット、フルートを適宜に」

軽音楽部部長の久保田も指示が的確になっている。

いつもの軽音楽部だけの演奏とは異なり、違う音が入ることで音楽そのものが広がりを見せている。


「ジャズの二曲は、光君のピアノソロでエリントンのA列車と、秋だからオータム・イン・ニューヨーク、これは四人で本格的なジャズ・カルテット」

軽音楽部副部長清水は、どちらかといえば、ジャズの人、どうしても、この選曲、シンプルな音にこだわりがあるようだ。


「二部のポップス、ロック系はどうします?」

光は、小沢編曲の様々な楽譜をテーブルに並べた。

「こっちは、音を厚くする、ポップスでダイアナ・ロスの恋はあせらずから始める」久保田

「ヴォーカルは私」祥子

「最初は明るく始めて、二曲目で落ち着かせる、タイタニックのテーマ」久保田

「このヴォーカルは?」光

「うん、由紀さん、声が落ち着いている、上手いよ」祥子

「ラストで、シカゴの素直になれなくてにするんですね」光

「うん、そのまま合唱部の練習にもなる」祥子

「アンコールは、モーツァルトですか?」清水

「そうだねえ、あれしかないね」祥子


話し合いをしていると、校長が入って来た。

「ほぼ学園の生徒は全員、聴きに来ますし、その他にも引き合いが多くなっています」

「まあ、思いっきり弾けてください、細かいことは全部面倒を見ます」

校長はうれしそうな顔になっている。

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