第192話春奈と光、華奈の前世。校門前の異変!
「何かヨカラヌことでも?」
春奈は、本当に寝ている光を張り倒そうと思った。
何故か、ニンマリ顔の華奈が浮かんできた。
「いやーーー夫婦はすこぶる円満、愛情に満ち溢れた家庭ですな」
圭子は予想と違うことを言う。
「それで知らないほうがいいとは?」
春奈は、首をかしげた。
「ああ、とにかく子だくさん、本当に愛し合っていたのかな」圭子
「わっ・・・」
春奈の顔が赤くなった。
「でもね・・・男の子ばっかりの中に」
圭子は声を落した。
春奈は不安を覚えた。
「最後に、華奈ちゃんが生まれている」圭子
「えーーー華奈ちゃんが、私の娘?」
春奈は、本当にがっかりした。
「ああ、それだから、あの子は朝ごはん二回、食べるのかなあ」春奈
「まあ、華奈ちゃんの無理やりの個性も捨てがたいさ、美紀さんも言い過ぎ」圭子
「確かに華奈ちゃんが、無理やり音楽部に引っ張ったからってこともありますね」春奈
「華奈ちゃんは、女としての成熟は、まだまだだけど、とてつもない可能性がある」圭子
「そんなものですかねえ・・・」
春奈は、どう答えていいのかわからない。
「それでさ、光君の隣に座っている子の名前教えて、少し興味がある」
圭子にしては珍しいことを言った。
「ああ、由紀さんって名前です、特に普通の人です」
どうして圭子ほどの巫女が興味を持つのか、不思議である。
「ふーん・・・由紀さんね・・・」
圭子は、また呪文を唱え始めた。
春奈にとって、またドキドキ時間が始まる。
「うん、大丈夫さ、本当にしっかりとしている」
圭子の口から肯定的な言葉が帰って来た。
「確かに、しっかりとしています」みゆき
「それからねえ・・・あれ・・・あの子も何か、いやとんでもない力かな・・・」
圭子の声が震えた。
「え?それは?」春奈
「ああ、わかった、これは素晴らしい力さ、悪い力ではないから心配はない、それだから光君の隣にいるのかも」
圭子は、落ちついた声になった。
それで、春奈も落ち着いた。
「ああ、それからね、あなたのお母さんの美智子さんも、あなたに厳しすぎ」
「あまり味付けとか気にしなくていいよ、そこまで光君、気にしていないしさ」
圭子は、普通の声になった。
「あ、はい、ありがとうございます、圭子さんにはいつも、慰められて」春奈
「それでね、ここで何だけどさ、お願いがあるの」圭子
「え?何でしょうか?」
春奈も不思議である。
「あのね、神田に行ったら、欲しいものがあるの、後でファックスするからお願い」
圭子はまたしても春奈の考えを見抜いていた。
電話を切った即座にファックスが圭子から送られてきた。
「佃煮十種類・・・それも店指定か、食べ物ばかり・・・」
「あれ?神田祭りのTシャツだって・・・へえ・・・」
春奈は圭子の感性が好きになった。
「圭子さんが見通しの巫女とすると、私は何だろう」
「何の役割かなあ・・・」
「うーん・・・でもいいや、いろいろわかった」
圭子の慰めもあり、春奈はぐっすりと眠ることが出来た。
翌日も、「目覚まし娘」と、いつもの行程で三人揃っての登校となった。
いつもと異なるのは、光の放課後の予定である。
多少口を尖らせる華奈は、少しずつ光にすり寄っていく。
「もう、近づきすぎ」
時々春奈が注意するが、何も気にする様子がない。
華奈にとって、なんとなく光が離れていく不安が大きくなっている。
音楽部だけでなく、軽音楽部や合唱部にも顔を出すようになった光とは、出来る限り近くにいたいのである。
「しょうがないなあ・・・」
「なるべく歩くの邪魔しないようにね」
春奈は優しい性格である。
多少の攻防戦を華奈と行っているけれど、「大人としての分別」を見せなければならない。
ただ、「大人としての分別」も、学園の校門までであった。
三人が校門に入ると、光の表情が一変した。
校舎の入り口の前に学生や教員たちが集まっている。
中には泣き叫んでいる声も聞こえてくる。




