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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
182/419

第182話鎌倉散歩(5)

「だれか不思議なお坊さんとこの部屋に来た事だけは覚えているけど」

「でも、庭は見えるしなあ・・・」

光がそんなことを考えていると、襖越しに声が聞こえて来た。


「ねえ、光君、行方不明だけど」ルシェール

「ああ、さっき不思議なお坊さんと話していた、隣の部屋に行ったよ」春奈

「どうして誰にもヘイヘイ、ホイホイついてくのかなあ、全く不用心、子供の頃から」華奈

「でも、探したくても立ち上がれないな」ルシェール

「足、しびれたんでしょ、慣れないことするから」春奈

「そういう、春奈さんだって、立てないじゃない」華奈

「というか全員、無理みたい」ルシェール

「この、美脚が可哀そう」華奈

「うん、子供の美脚ね」春奈

「そう、水着モデルは、無理」ルシェール

「そうそう、まだ子供だもの、華奈ちゃん」春奈

「イタワリも何もなく」華奈

「身から出たサビ」ルシェール

・・・・・・・・


光は、仕方なく前の部屋に戻ることになった。

三人の巫女は結局、自分では立ち上がらなかった。

まず春奈は、ひ弱な光にすがって、必死に立ち上がった。

ルシェールとは、体格差もあり、立ち上がらせる時に光がよろけた。

華奈は光に「抱きつき」、立ち上がったけれど、すぐに、春奈とルシェールにより「強引」に引きはがされた。


「余計なことを」華奈

「歩く時効娘だ」ルシェール

「ふん、華奈は計画的さ・・・許せん」春奈

ブツブツ言いあう三人の巫女を見ようともせず、光は明月院の方丈を出た。


明月院を出て、しばらく坂を下る。

歩道も狭く、観光客も多いので、並んでは無理。


四人の珍道中は、それでも何とか建長寺に入った。


「広いっていうか、立派」春奈

「さすが鎌倉五山筆頭ですね」ルシェール

「円覚寺もよかったけれど、この開放感はいいな」華奈

「うん、かなり古いお寺だけど、好きなんだ、特に庭が好き」光

光は三人を伴って大きな方丈に入り、裏の庭を見ている。


「心字池っていうのさ、心の字を池の形にしたとか」光

「うん、きれい・・・というか、落ちつく」春奈

「ずっと見ていると、何か大切なことを教えてくれるような」ルシェール

「池に橋がかけられていて、意味があるのかな」華奈

「そうだね、ひとそれぞれに」光

「心の中だもの、それぞれさ」春奈

「ぼんやりと見ているだけなんだけれど、心がほんわりというか」ルシェール

「芝生の手入れもしっかりとしていて」光

「整えるってことかな、単純なことだけど大切なことだね」春奈

「黙ってみていると、いろんなこと考えることできる」ルシェール

当初はいろんなことを言っていた四人は、次第に何も言わなくなった。

あまりの見事さに見とれてしまったのである。


「さあ、他の人も見たいだろうから・・・」

光は再び立って歩き出した。

建長寺を出て少し歩くと鶴岡八幡宮がある。


「ここは?」春奈

「えーっと、あまり行かないかな、八幡宮だったら若宮のほうが古い」

「八幡宮自体は京都の石清水八幡から分けられたんだけど・・・頼朝の氏神みたいな感じ」

「特に霊験とかない、こういう八幡様も珍しいんだけどね」

光は八幡宮に行く気はないらしい。


「おそらく長い階段降りるのが面倒かもしれない」

春奈の分析のほうが的確であった。

光は要するに鶴岡八幡の長い階段を下りるのが面倒だった。

そのまま、小町横丁に入っていく。


「でも、さすが週末、すごい人出だね」春奈

「通りそのものは、広くないけれどいろんな店があります」ルシェール

「食べ物屋が多い、あ、ここにソーセージのお店」

華奈はそのまま、ソーセージの店に入ってしまう。


「何だ、あれほど和食の極みを食べたのに」春奈

「でも確かに美味しそうですね」ルシェール

「うん、私、育ち盛りだし、春奈さんは散歩していてもいいですよ」

華奈は、既にニンマリとしている。

華奈にとって、ようやく反撃のチャンスが到来したのである。


「じゃあ、光君と一緒に歩くかな、ねえ、光君」

しかし、春奈もさるもの、「小娘華奈」の言葉を簡単に切り返してしまう。

どう考えても小食の光が、ここでソーセージなど食べるはずがないと確信している。


「ルシェールはどうするの?」

しかし、光は何も状況を把握していない。

春奈に、焦りが発生している。


「そうですねえ・・・食べたくなってきました」ルシェール


「うん、じゃあ、華奈ちゃんと一緒に」

今度は春奈がニンマリとなった。

やっと、光を独占できるのである。

しかし、またしても光は予想外の動きを取った。


「じゃあ、あまり来ることもないから、みんなで食べましょう」

光はソーセージドッグを全員分、注文してしまったのである。

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