表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
阿修羅様と光君  作者: 舞夢
158/419

第158話奈良公園の異変

結局、京都駅まで、座席は変わらなかった。

春奈と華奈が並んで座り、美紀は光の横にいる。

春奈も華奈も、美紀の涙で何も言えなくなってしまったのである。


それでも京都駅につき、光は目を覚ました。

隣に美紀が座っていることに少し驚いたような顔をするが、その後は笑顔である。

うれしそうな、安心した顔にも見える。


「美紀叔母さんに逢えてうれしいなあ」

「子供の頃から、本当にお世話になって・・・」

頭まで下げている。


美紀もうれしそうな顔である。

ただ、近鉄に乗ってからは、春奈の隣に座った。

光は、華奈と並んで座る。

ただ、いつもの雰囲気ではない。

とにかく四人とも目が異様に光っている。


「ナタリーからだったんだけど・・・」

美紀は声を低くしている。


「うん・・・・」

春奈も声が低い。


「昨日から奈良公園で何か起きているらしい」美紀

「何かって?」春奈

「鹿の角がありえないぐらいに折られているとか・・・姿が少しずつ減っているとか」美紀

「え?そんなことあるの?」春奈

奈良公園の鹿は、奈良のシンボル、春日大社では神の使いである。

少なくとも簡単に手が出せるものではない。


「鹿の角をありえないぐらいに折る・・・」

「数は・・・今まで多すぎてよくわからないけれど・・・」

華奈も考え込んでいる。


「それでね、ナタリーが言うのに、ヨーロッパ系と言っても、南の方、スペイン語を話す人が多くなっているんだって、それもみんな体格がいい」

「特に東大寺の前あたりで、観光客にやたら声をかけまくっている」

「でも、スペイン系だから、カトリックのはずなんだけど・・・」

「何故か奈良のカトリック教会には入ってこない」

「ああ、それは教会の中という意味、スペイン語がかかれたゴミは、大量に教会の前に毎朝置いてある、掃除で一時間もかかっているらしい」美紀の顔も深刻である。


「体格がよくてスペイン系、数が多い」

「カトリックなのに、教会内部には、入ってこない」

「おそらくゴミは、その人たちだね・・・」春奈

「うん、何故東大寺なのかはわからない、興福寺とか、春日大社には、いないみたい」美紀

「鹿と関係があるのかな・・・」華奈

「なかなか、普通の人では、鹿の角は折れない」春奈

「いずれにせよ、その人たちが来てから、そういう変化があったんだから・・・」美紀

「でも、鹿とかカトリック教会前のゴミとか・・・」華奈

「まあ、どう考えても味方じゃないな、奈良に悪意を持っている」春奈


「あれ・・・」華奈がスマホを見ている。

「え?誰から?」美紀

「うん、ルシェール・・・今日も、とんでもないことがおこっているらしい」

華奈の声が震えた。

「とんでもないって何?」春奈の声も震えた。

「酔っぱらった体格のいいスペイン人が鹿に灯油をかけて、ライターで火をつけたんだって・・・」

「それも観光客がごった返している真ん中」

「周りの鹿まで半狂乱・・・あちこちの店に飛び込んだり、奈良公園走り回って・・・」

華奈の口から、恐ろしいまでの状況が伝わって来る。

「それで、そのスペイン人は?」美紀

「うん、すぐに警察に捕まったんだけど・・・」華奈

「まあ、それぐらいならルシェールも、ここまでメールしないと思うんだけど・・・」

春奈は、光を見た。

光も頷いている。

目が異様に光っている。


「捕まる時にね、誰もわからない言葉を叫んだらしい・・・」

「スペイン語でもフランス語でもイタリア語でも・・・まして英語なんかじゃない・・・」

華奈も、何故か光を見た。


「うん・・・それはアラム語だ、古くからの、呪いの言葉」

「神と人、全ての善なるものを、呪い滅却する言葉だ」

「捕まった男も、かなり強い男さ」

光・・・いやおそらく阿修羅は冷静である。


「でも、そんな強い人、よく警官が・・・」春奈

阿修羅が強いというぐらいなら、相当強いと思う。


「いや、捕まえたのは人間じゃない、人間のフリをしただけさ」

ここで光、おそらく阿修羅は苦々しい顔をした。


「と言うと?」美紀

「ああ、捕まえたのは金剛力士の阿形・・・金剛力士が人に化けた」

「もう一人の金剛力士の吽形は・・・今、暴れている」

光はますます、苦々しい顔になった。

美紀と華奈、春奈の身体が震えている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ