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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
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第152話華奈の母美紀の登場

「そうなんだ・・・クリスマスコンサートに音楽部が出るんだ」

春奈は家で光と華奈と紅茶を飲んでいる。

「それでさ、光君ちょっと聞いておきたいんだけど」

春奈は真面目な顔になった。


「はい」

光も真面目な顔になる。


「三年生は受験で、文化祭に出られないのはわかるんだけどね」春奈

「はい」光

「光君もそろそろ二年生の後半だから進路を決める時期だよね」春奈

「はい・・・」光

「そろそろ決まっているの?自分の中では・・・」春奈

「えっと・・・」光は考えている。

ただ、何も考えていない時の反応ではない。

多少は頭を使っているらしい。

しきりに口の中でブツブツつぶやいている。


「一番好きなことを、極めてみたいと思っています」

光はようやく口を開いた。

光としては珍しくまともな反応である。


「一番好きなことって?」

春奈は、何となく予想がついた。

光が子供の頃からピアノだけは熱心に練習していたらしい。

それは圭子叔母さんや楓も認めている。

ピアノに熱中すると、「寝ること」も「食べること」も忘れるほどだったらしい。


「はい、音楽でいいかなあと思っています」

光から予想通りの答えが帰って来た。

春奈もこれで安心した。

光の音楽性は、夏のコンサートでも、相当の好評を集めた。

様々な有名音大の教授が直々に秋のコンサートへの招待状を何通も送ってきている。

それ程評価が高ければ、受験そのものへの苦労は少ないと判断したのである。


「そうね、それがいいかなあ」

「どう考えても、サラリーマンは無理」

「光さんの営業なんて、全く想像つかないし」

「事務やってずっとパソコンの前だと、居眠りしているだけだし」

華奈はいろいろと決めつけながら、賛成する。


「じゃあ、あとは祥子さんとか晃子さんにも、話をして進めちゃいましょう」

「あとは数ある音大で、どこを選ぶかだけ」

いつもは、バトルが絶えない光家であるが、今日に限っては「ほんわか」ムードに包まれている。


しかし、次の瞬間、またしても変化が発生した。

「あれっ、チャイムが鳴っている」

光が立ちあがった。

しかし、先に立ち上がった光より華奈のほうが、早く玄関に出ていく。


「あれあれ、全く・・・」

光の動きの鈍さに呆れる春奈の耳に、楓の大声が飛び込んできた。


「えーーー?」

「どうして来たの?」

「来るなら言ってよ!」

華奈の大声三連発である。

これには、春奈も気になり、玄関に出た。

しかし、春奈の反応も華奈と大差がない。


「わーーーっ」

「懐かしい」

「うれしいなあ・・・」

春奈も大声三連発になった。


「うんうん、華奈がお世話になって」

「光君も相変わらずだね、可愛いなあ・・・」

三人の前に現れたのは、華奈の母、美紀である。


「はいはい、どうぞあがってください」

「光君、珈琲淹れますから」

「それも手挽きです」

春奈は勝手に珈琲豆挽きまで決めつけて、華奈の母美紀をリビングに招き入れる。


結局、光はヒイハアしながら珈琲豆を挽いている。

「でも、美紀さん、本当にきれいですね」

「スタイルもいいし」

「とても三十代後半とは思えません」

「憧れの大学生でしたもの・・・」

春奈は、華奈の母美紀の登場に、少し興奮している。


「あはは、三十代後半はともかくね」

「まだまだ、体型は崩したくないし」

「こんな華奈なんて小娘に馬鹿にされたくないしね」

美紀は笑っているが、「小娘」認識は、春奈も心の底で深く同感した。

しかし実の母の前では、そんなソブリは見せない。


「いえいえ、華奈ちゃんも本当に可愛くてねえ・・・ピカピカですよ」

春奈は、心にもない言葉を連発している。


「いえいえ、小娘です、まだまだ玉子焼きもちゃんと出来ない」

「身体もまだまだ、とてもビキニなんて恥ずかしくて無理」

美紀も華奈の怒り顔など全く考慮にないようである。

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