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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
138/419

第138話阿修羅の嫌そうな顔、ルシェールが家にやってきた!

実は、春奈は、一昨日の深夜つまり、光が晃子たちとホテルに行く前の深夜、地蔵と阿修羅の会話を聞きとっていた。


「さて、今回はどうします?」

深夜、冷房をギンギンに効かせた光のベッドの脇に、地蔵が姿を現した。


「うん、今回は大暴れかなあ」

阿修羅が姿を現した。


「というと前回よりも?」地蔵


「いや、前回は、それほどでもない、手慣らしさ」阿修羅


「まあ、そんなところですね、抑えられていたし」地蔵


「人相手に本気を出すこともないだろうし」阿修羅


「今回は、それでも人を巻き込むことになるのでは?」地蔵


「うーん、相手次第、成り行き次第ということもあるけれど・・・」

阿修羅は何か思案しているようである。


「あまり面倒でしたら、彼らを呼びましょうか?」地蔵


「え?あいつら?」阿修羅


「そうです、もうね、出たがっていてどうしようもない、阿修羅ばかり楽しんでいるって、うるさくて仕方がない」

地蔵は苦笑いをしている。


「まあ、そのままにしておくと、ブツブツ言われそうだなあ・・・」阿修羅


「ああ、同じ八部衆じゃないですか、仲良くやってもらえませんか」地蔵


「いや、仲が悪いわけではないよ、前回もそうだけど阿修羅だけで十分だから、そうしたのさ」

阿修羅は光を見ている。


「それでね、出たがっているのは八部衆だけじゃないですよ」地蔵


「え?まさか他にもいるの?」

阿修羅は不思議そうな声を出すが、思い当たることがあるようだ。


「はい、十二神将とか・・・いやその前に」

地蔵は何故か、ニヤッと笑う。


「え?もしかして、あの二人?」

阿修羅は明らかに嫌そうな顔をする。


「まあまあ・・・そもそも、この子がね、奈良で有名な仏像が阿修羅と大仏なんて言っているから、それを聞いたあの二人がね・・・」地蔵


「大人げないなあ・・・でもあんな、ゴッツイのが二人来ると・・・」

阿修羅はため息をついている。


これが、春奈の光が晃子たちとホテルに行く前の深夜に聞いた阿修羅と地蔵の会話である。

春奈としては、阿修羅が当分、光の中にいることは理解している。

阿修羅自身から「まだまだいる、糺したいことがある」と聞いていたこともあるし、春奈にとって邪魔者の「小娘」楓がこの家に入るまでは、阿修羅と会話をしていた。

昨日のホテル行きも、阿修羅の思惑が何かあるとは考えている。


しかし、今の眼前の問題がある。

何しろフランス語のメールなど読んだことがない。

というよりは、フランス語そのものを読んだことがないのである。


「ねえ、春奈さん、わかります?」

華奈も心配そうな顔をするけれど、どうにもできない。


「そうだねえ・・・こうなるとわからないから・・・翻訳ソフトかなあ」

そもそも、フランス語の素養がないのだから、何とかして翻訳をするしかない。

春奈が、ようやく結論を固め、立ち上がった時である。

玄関のチャイムが鳴った。


「誰だろう・・・こんな早くに・・・」

光は、ヨロヨロと立ち上がった。

まだまだ体調は悪そうである。


「うん、支えるよ」

華奈は光の数倍速く立ち上がって光の身体を支える。


「恥ずかしいし、余計なことを」

春奈にとって、光の弱々しい姿は恥ずかしい。

華奈が光を支えることは、「余計なこと」である。

ただ、華奈より一瞬出遅れてしまった。


にやりと自分を見る華奈の表情が気にいらない。

「ふん、若ぶって・・・小娘め・・・」

しかし、表情には出さない、「大人」の表情で肩をすくめてあげた。


光と光を支えた華奈は玄関に消えた。

春奈は待つしかない。

その、少し焦れた春奈の耳に、華奈の大声、大はしゃぎの声が聞こえて来た。


「えーーー?」

「もしかして、ルシェール?」

「わーーーーっ」

「なっつかしい!」

「いいから、上がって!」


春奈も気になって玄関に出た。


「はい、おはようございます」

「春奈さんも、お久しぶりです」

玄関には、ブロンドの超美少女が立っている。

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