第131話倒れ込む光、そして
「え?いいの?」
春奈は華奈の顔を見た。
「・・・よくないけど、今は無理、私は家事、特に料理はまだ苦手」
華奈は難しい顔になる。
「とにかく食事ぐらいはさせないと、また倒れるよ」華奈
「そうかあ・・・華奈ちゃん、家事ダメなんだ」
春奈は笑った。
「それじゃあ、当分光君と暮らすかな、大学卒業ぐらいまで」
春奈は、本当にうれしそうな顔をする。
「いや、それは却下です」
華奈はきっぱりと言い切る。
「え?」
春奈は華奈の突然の口調の強さに驚く。
「私の料理が上手になって胸が成長したら、光さんと結婚します」
「そこまでにしました」
華奈は全くの真顔である。
「ほぉーっ」
あまりの真顔に春奈も対応が出来ない。
特に胸についてはどうにもならないし、こだわりすぎる華奈をどうにも笑ってしまう。
しかし、そもそも、それは華奈がそう思っているだけで、当の光がどう思っているのかは、よくわからない。
それに華奈の言葉なんて、「十五歳の小娘の言葉」と思っている。
光との同居以外は、相手にせず、聞き流すこと決めた。
・・・ところが・・・
「あっ・・・」
華奈が突然大声を出した。
「わっ!」
春奈も焦った。
春奈と華奈のゴチャゴチャとした会話を聞くソブリもなく歩いていた光の身体が大きく揺れている。
そして、そのまま前のめりに倒れていく。
「ダメ!」華奈
「ここはアスファルト!」春奈
二人して必死に倒れ込む光を支えた。
まさしく炎天下である。
ついつい話に夢中で、光の状態など、何も考えていなかった。
しかし、二人に抱きかかえられた光は既に意識を失っているようだ。
「まあ・・・体力不足、結局、最初の保健室から、ほとんど進歩がない」
春奈は呆れ顔になる。
「・・・う・・・」
光が口を開いた。
息を吹き返したようだ。
多少ぼんやりとしているけれど・・・
何しろ、いつもぼんやりとしているので、見分けがつかない。
「起きなきゃ」
光はよろけながら立ち上がった。
そして再び歩き出す。
「大丈夫?」春奈
「支えようか?」華奈
「いや、阿修羅君が倒れちゃだめって言ってさ」
「まだ、一緒にやりたいことあるんだって」
光はにっこりと笑っている。




