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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
127/419

第127話生きていたマネージャー

「何故だ・・・スタンガンで気絶させ、爆破して、殺したはずだ」

会長の目に、晃子の女性マネージャーが歩いてくるのが見えた。

ホールの地下駐車場で黒ベンツごと破壊したはずの・・・

何故、生きていて歩いてくるのか・・・


「はい、私は会長のもと、特にヴァイオリニストの晃子様のマネージャーをしておりました」

「そして今、公安警察のトップというお方が話されたことは真実です」

「この携帯に録音してあります」

マネージャーは携帯の録音を再生し始める。


会長の声が聞こえて来た。

「極秘」集団トップとの会話や鍵の探索、車内での会話が全てが再生された。

そこで会長の顔から精気が消えた。

会長はがっくりと肩を落とす。


「そうですか・・・これで・・・よくわかりました」

「夢で見た通りです」

首相は坂口の顔を見た。

坂口も不思議そうな顔になる。


「・・・夢とは?」

坂口は首相に尋ねた。


「ああ、最近、地蔵菩薩様と阿修羅様が枕元に立った」

「それは厳しいお顔で二人に言われた」

「とにかく不逞の輩をお前の所に届ける」

「責任をとって処罰せよ」

「それから、今しばらくこの時代に留まる、気合をいれて万民に仁政を施せとな」

首相は信じられないようなことを言っている。


「まあ、ここにどうやって、この集団が届けられたのか、それは不問とする」

「しかし、全ての犯罪行為については、法に照らして厳正に処罰を行います」

首相の顔が厳しくなった。

その言葉によって会長と極秘集団の当局による連行が始まった。


「大丈夫かい?」

坂口がマネージャーに声をかけた。

坂口は会長のマネージャーを見る驚いた顔に注目した。

そして会長の「殺したし、爆破したはずだ」の口の動きを読み取っていた。


「はい・・・」

マネージャーが不思議そうな顔で話し出した。

「会長を地下の駐車場までお連れし、会長と何かお話したことまでは覚えているのですが・・・」

「首の後ろに凄い衝撃を受けて・・・気が付いた時には、お坊さんが目の前にいました」

「そのお坊さんが車から出してくれて・・・」

「ホールに向かって歩いていたら何か点滅する黒い箱を見つけて・・・はい、目の前にありましたので・・・」

「それで楽屋口から舞台の裏にそのまま・・・ああ、楽屋口の警備の方にはヴァイオリニストのマネージャーということで、通してもらいました」

「そうしたら楽屋の廊下に光君が立っていて、その光るものを渡してほしいと言われましたので、そのまま渡しました」


「ふっ・・・」

坂口は、少し笑った。

「何だい、坂口さん」

首相も坂口の笑いが理解できない。


「マネージャーは、地蔵さんに救われたのさ」

「それに黒ベンツの爆発なんか何もなかった」

「きっとこの集団も地蔵さんの錫杖で運ばれたんだろう」

坂口は笑って首相の顔を見た。


「ふん・・・ここでも地蔵さんか・・・」

「地獄から人を救う御仏・・・」

首相も笑っている。

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