第124話決着
「まあ、仔細はともかくとして・・・」
「この阿修羅に悪の力は通用しない」
今度は阿修羅が笑った。
と同時に阿修羅の手の平から、時限爆弾が浮き上がった。
「何?」
会長は驚くけれど、声が出ない。
何しろ、宙からおりてくる爆弾を見てから、口を閉じることができなくなっている。
しかし、声だけではない。
手足が全く動かなくなった。
地面に叩きつけられた痛みからではない。
全ての関節が動かない。
「お前に返す」
阿修羅は再び笑った。
と同時に、時限爆弾は会長の目の前にゆっくりと落ちた。
そして機動隊員が会長の身体に巻き付けてしまう。
そして、恐怖に震える会長の口の中に、何か小さい生き物が飛び込んでいく。
「さて、これからが仏恩、仏罰です」
地蔵から会長に声が掛けられた。
会長の顔が恐怖に包まれる。
阿修羅は会長を厳しく見据えた。
会長の顔は真っ青になった。
つまり時限爆弾の爆破時間が迫っている。
「おい・・・会長とやら・・・」
阿修羅は会長の顔をさらに厳しく見すえた。
そして続けた。
「その爆弾とやらの力は既に無い」
「阿修羅の力で抜き去った」
阿修羅は、その目を恐ろしく光らせる。
「ただな・・・お前の身体の中に数匹の邪鬼を入れておいた」
「阿修羅が命ずれば、お前の身体を中から食い尽くす」
阿修羅が少し笑う。
途端に会長から悲鳴があがる。
「グェ」「グェ」
「ギャ!」「痛え!」
「死ぬ!」「内蔵が!」
「食いちぎられる!」
・・・・・・
会長は脂汗を流してのたうち回る。
既に痛みのためか失禁している。
「これが生涯続くことになる」
「痛みは続くがそれで命を落とすことはない」
「今はここまでとするが・・・」
阿修羅がそう言うと、会長の苦しそうな顔はおさまった。
しかし、恐怖に震えている。
「わかったか、いつでも阿修羅の思い通り、その苦しみを味あわせる」
「苦しみ、痛みは、それごとに強くするぞ」
「その苦しみを止めるのも阿修羅の考え次第」
「全てお前の悪行の報いと知れ」
阿修羅はさらに厳しく会長を見据えている。
「さて・・・今回はこんなところで・・・」
地蔵は阿修羅の顔を見た。
「うん、まあ物足りないが、続きはまた・・・」阿修羅
「まだ、あの子の中にいますか?」地蔵
「ああ、後始末が少しある・・・」
「他にも糺すところが、まだまだある」
「それに、この時代もなかなか面白い」
阿修羅は何か考えているようだ。
「そうですか・・・それでは・・・」
地蔵はフッと笑った。
そして錫杖の鈴を再び大きく鳴らした。
ホールの前の広場が再び大きな閃光に包まれている。




