第123話震え上がる会長
「・・・あまりにも信じられないが・・・」刑事
「うん・・・」坂口
「しかし、爆弾とは・・・気づかなかった」刑事
「・・・しかし、今となっては・・・」坂口
「多数の見知らぬ人を犠牲にするわけにはいかない」刑事
「・・・悔しいが致し方ないか・・・」
坂口と刑事の顔に苦悩と絶望が交錯した。
刑事は、顔をしかめ歩き出そうとした。
つまり「極秘」集団全ての手錠を外す指示を行うためである。
「あっ・・・ちょっと待て」
歩き出そうとした刑事を坂口が止めた。
「う・・・何だ、もう時間は無いぞ」
刑事の顔に焦りが浮かんでいる。
「いや・・・阿修羅が動いている」
坂口は阿修羅の動きを見ている。
「会長とやら」
今度は阿修羅が会長に声をかけた。
「ふん、何だ、そこの物の怪」
「物の怪とて、この爆発は止められん」
「馬鹿馬鹿しい、結局無駄だったな」
「物の怪の大立ち回りも」
会長は、酷薄な笑みを浮かべている。
「ふん・・・その爆発物とやらは・・・どこに」
阿修羅が会長に声をかけた。
「おい、この馬鹿野郎、地下の駐車場って言ったじゃねえか」
「それも世界に一つだ」
「今からじゃ、見つからねえかもなあ・・・」
会長は笑い声まで上げている。
しかし、阿修羅は合掌のポーズのまま、全く表情を変えない。
地蔵は微笑んでいる。
「おい!何だ、そのガキみたいな顔、そして馬鹿坊主め、薄ら笑いをしやがって!」
「何がおかしい!」
途端に会長が激怒した。
地蔵はますます笑っている。
「会長とやら」
阿修羅は、ゆっくりと合掌のポーズを解いた。
そして手の平を開いた。
「何?」
会長が大声を出した。
口をポカンと開けている。
「どうして・・・」
会長の膝がガクガクと震えている。
既に暗くなった空から光に包まれて何かが降りて来た。
そして阿修羅の手の平に落ちた。
「ほう・・・これが爆弾とやらなのか」
阿修羅は手の平にある黒い箱を見ている。
さすが時限爆弾なのか、赤い小さな点滅が見える。
「どうして・・・ここに・・・」
会長は口を閉じることが出来ない。
ありえないことだった。
駐車場でマネージャーを「スタンガンで措置し」そのあと、黒ベンツを爆破した。
そして、駐車場の片隅に超高性能の爆弾をセットした。
目の前のホールぐらいなら簡単に吹き飛ばせる力を持っている。
しかし、その様子は無人の駐車場であり、誰にも見られない場所、監視カメラの死角にセットしたのである。




