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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
115/419

第115話地蔵菩薩vs極秘集団(3)

「ほら、言った通りでしょう」

地蔵菩薩は涼やかな顔で、「極秘」集団の乱行を見ている。

「極秘」集団は、全く信じられないと言った顔で、攻撃をし続けるけれど、何も変化が見られない。

次第に焦りも表情に表れている。

既にライフルの弾も、手榴弾も尽きたようだ。

ライフルも手榴弾も持つ者がいない。

懸命に刀を振り回して、地蔵菩薩に襲い掛かるけれど、全て透明の壁に絡めとられてしまう。


「くそっ・・・何故だ・・・」

「極秘」集団のトップは唇を噛む。

「このままでは・・・」

このまま何もできなければ、いずれは再び大量の機動隊や警察に囲まれてしまうだろう。

既に武器弾薬が尽きはじめている中、「極秘」集団にとって、リスクが大きすぎる。

武器弾薬があってこその、戦闘能力なのである。


「さて、そろそろ御仏の御罰です」

地蔵菩薩は再び錫杖の鈴を鳴らした。

途端に地蔵菩薩の前の透明の光る壁が消え去った。

そして刀がバラバラと地面に転がる。

「極秘」集団の男たち全員が素早く地面に転がる刀を再び手にした。


「ふん、訳が分からないが・・・」

「遠慮することはない」

「全員、切り殺せ!」

「極秘」集団のトップが叫んだ瞬間である。


地蔵菩薩の頭の上、空中に会長の姿が浮かんだ。

そして、地蔵菩薩が錫杖の鈴を鳴らすとそのまま地面に叩きつけられた。


「会長!」

「大丈夫ですか!」

「極秘」集団の全員が会長の周りに集まった。

会長は叩きつけられた衝撃で、未だ口を開くことも動くことも出来ない。


「許せねえ!大恩ある会長まで!」

「極秘」集団のトップは、金切り声をあげる。


「いや、大恩があるのは会長ではありません」

「ここからが本当の御仏の大恩、御罰です」

地蔵菩薩は再び錫杖の鈴を鳴らした。

凄まじい音量になった。


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