第115話地蔵菩薩vs極秘集団(3)
「ほら、言った通りでしょう」
地蔵菩薩は涼やかな顔で、「極秘」集団の乱行を見ている。
「極秘」集団は、全く信じられないと言った顔で、攻撃をし続けるけれど、何も変化が見られない。
次第に焦りも表情に表れている。
既にライフルの弾も、手榴弾も尽きたようだ。
ライフルも手榴弾も持つ者がいない。
懸命に刀を振り回して、地蔵菩薩に襲い掛かるけれど、全て透明の壁に絡めとられてしまう。
「くそっ・・・何故だ・・・」
「極秘」集団のトップは唇を噛む。
「このままでは・・・」
このまま何もできなければ、いずれは再び大量の機動隊や警察に囲まれてしまうだろう。
既に武器弾薬が尽きはじめている中、「極秘」集団にとって、リスクが大きすぎる。
武器弾薬があってこその、戦闘能力なのである。
「さて、そろそろ御仏の御罰です」
地蔵菩薩は再び錫杖の鈴を鳴らした。
途端に地蔵菩薩の前の透明の光る壁が消え去った。
そして刀がバラバラと地面に転がる。
「極秘」集団の男たち全員が素早く地面に転がる刀を再び手にした。
「ふん、訳が分からないが・・・」
「遠慮することはない」
「全員、切り殺せ!」
「極秘」集団のトップが叫んだ瞬間である。
地蔵菩薩の頭の上、空中に会長の姿が浮かんだ。
そして、地蔵菩薩が錫杖の鈴を鳴らすとそのまま地面に叩きつけられた。
「会長!」
「大丈夫ですか!」
「極秘」集団の全員が会長の周りに集まった。
会長は叩きつけられた衝撃で、未だ口を開くことも動くことも出来ない。
「許せねえ!大恩ある会長まで!」
「極秘」集団のトップは、金切り声をあげる。
「いや、大恩があるのは会長ではありません」
「ここからが本当の御仏の大恩、御罰です」
地蔵菩薩は再び錫杖の鈴を鳴らした。
凄まじい音量になった。




