第107話会長の「始末」と黒く光る箱
「わかりました」
「何が起こっても、あの鍵と高校生のガキ、晃子は奪い取ります」
「極秘の男」の言葉はそこで切れた。
「会長・・・」
話を聞き取っていたマネージャーが怯えた声を出した。
マネージャーとて、会長のそんな恐ろしい言葉を聞くとは考えていなかった。
運転席でガクガク震えている。
「何だ・・・怖いのか・・・」
会長はマネージャーに声をかけた。
声は普通の落ち着いた声に戻っている。
「はい・・・」
会長の落ち着いた声でマネージャーもやっと返事をすることができた。
「そうか・・・それなら、落ち着けてやる」
会長はマネージャーの首にスタンガンをつけた。
そして、何のためらいもなく引き金を引いた。
「バンッ」
その音と同時にマネージャーは崩れ落ちた。
会長はベンツを降りた。
「あの鍵は取られてはならん」
「あの鍵で開けられては、全てが吹っ飛ぶ」
「今までのことが全て無駄だ・・・」
会長は広い地下駐車場を歩いていく。
既に黒ベンツは、かなり遠くに見える。
会長は内ポケットから携帯を取り出した。
携帯画面を見ている。
どこかをクリックした。
「ガッシャーン」
すさまじい爆発音が駐車場内に響いた。
「よし・・・」
会長は音だけを聞いた。
後ろは振り返らない。
次に、地下駐車場内の監視カメラの位置を探した。
「ふん・・・ここなら・・・死角だ」
そこに黒い「何か光る箱」を置いた。
そしてホール階行きのエレベーターに乗り込んだ。




