第106話コンサートホール前の異様な風景 会長と極秘の男
本当に異様な風景になった。
数十台の街宣車がコンサートホールの周囲に集結している。
そしてその街宣車の周りを、数十台の警察車両が取り巻いている。
この異様な風景に、渋谷の街を歩く人々から様々な声が出ている。
「今日、何かあるの?」
「あの街宣車って、かなりアブナイ感じ」
「乗っている人、黒ヘルメットかぶって迷彩服、黒いサングラス、黒いマスク」
「もしかしてテロ?」
「そんな警察車両が取り巻いていて、その前でテロなんて出来ないよ」
「いやー・・・でも自爆とかあるかも」
「まっさか・・・日本でそんなことないよ」
「ありえないって・・・」
「いや、そんなのわからないよ、これだけ集まっているだけで異常なんだから」
「それはそうだけど・・・本当に今日、何かあるの?」
「わからないなあ・・・」
「でも、怖いから早く逃げよう」
「あ・・・街宣車から・・・降りて来た」
「みんな黒いヘルメット、迷彩服、黒サングラス、黒マスクだ」
「あれ・・・何か持っているの・・・もしかしてライフル?」
「刀持っている人もいるよ」
「あ・・・みんな歩き出した」
「あの方向って、コンサートホール?」
「警察の車からも降りて来たよ・・・」
「あ・・・機動隊まで・・・」
別の方角から機動隊の集団が見えて来た。
会長を乗せた黒ベンツはコンサートホールの駐車場についた。
会長の携帯には、逐一「極秘の男」のトップから情報が入る。
「数と武器は揃えました」
「ただ、警察車両と機動隊まで出てきています」
「このまま、遂行しますか」
「極秘の男」の声は、低い。
このまま、遂行すれば必ず死傷者は避けられない。
「極秘の男」としても、慎重になる。
「この馬鹿野郎・・・」
会長の声も低い。
言葉遣いは野卑。
「何のために自衛隊崩れのお前たちを飼ってやっていると思う・・・」
「いざ万が一の時に、俺を護るためだろうが」
「人よりいい暮らしをさせ、適当な街宣まがいで済むと思っていたのか」
「お前らなんかの命はゴミだ」
「ゴミはゴミらしくな・・・少しは俺の役に立て」
とても超一流化粧品化粧品会社の会長とは思えないような言葉になっている。




