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阿修羅様と光君  作者: 舞夢
102/419

第102話会長の怒りと極秘の男への指示

マンションの晃子の部屋では、会長が動き回っている。

「今日は晃子がコンサートに出る日か・・・」

「そろそろ開演か・・・」

「まあ、そんなことは、どうでもいいが」


「おかしい・・・」

しきりに同じことをつぶやいている。

「晃子は戻って来なかった」

「まあ、監視カメラのことを言ったんだから、戻りづらいのはわかるが」

「それにしても、尾行が巻かれるなんて、今までの女にはなかった」

「晃子の惚れ癖には、ヘキエキしていたから、ここで監視カメラの話をして・・・どうせ逃げるだろうから・・・後は始末するつもりだったが・・・」


「マスコミに垂れ込まれても、自分から監視カメラのことは言わんだろう」

「そんなことを言ったら、晃子自身のイメージも悪くなる・・・」

「ただ、それはいいんだけど・・・」

会長は、しきりにピアノのあちこちに、手を触れている。


「うーん、何故鍵が無い」

会長はピアノの中に隠してあった鍵を探しているようだ。

「晃子には、教えていない」

「晃子は自らピアノを弾くことはない」

「だから晃子が鍵のことなど知らんだろう」

「しかし、あの鍵は、この部屋になければならない」

「あの日にもう少ししっかり探せばよかった・・・我ながらウカツだった」


会長はピアノの下を見た。

しかし、ピアノの下に鍵は落ちていない。

会長の顔に焦りが浮かんだ。

「一体・・・何故ないんだ」

ピアノの下のカーペットを捲ってみた。

コンクリートの床に鍵穴がある。

「あの鍵が見つからないと・・・」

「もし、誰かに持ち去られていると・・・」

「この中が見られると危険だ」

会長は必死に考えた。

「う・・・晃子のやつ、高校生のガキと三十分だけ練習と言っていた」

「そのガキが、ピアノの調律が変とか・・・」

「もしや・・・その時に・・・」

会長の顔が、突然、真っ赤になった。

そして、いきなり携帯が光る。

「こんな時に・・・」

会長は面倒ながら携帯を見ると・・・

「何?」

携帯の画面には、シャンデリア下の画面が映し出されている。

そして、映っているのは、晃子と男子高校生が一人。

「あの時は見ようにも真っ暗だった、何故、今見える・・・」

会長は不審に思いながら、画面を見続ける。

演奏の途中から、その男子高校生がキョロキョロし始めた。

そして、突然、ピアノの中に手を伸ばす。

何か光るものを手にしている。

会長は、即座に決断した。

携帯から「極秘の男」に電話をかけた。


「あの高校生のガキから鍵を奪い取れ」

「多少手荒いことをしてもかまわん」

「晃子と一緒にシバき上げる」

「面倒になったら、会場まるごと爆破でもいい」

「タイミングは、俺が指示する」

「ただ、絶対に俺の名前は出すな」

そこまで「極秘の男」に伝えると、会長は晃子のマンションを出た。


晃子のマネージャーが待っていた。


「出向きますか」

晃子の女性マネージャーが慎重に聞いて来た。


「うるせえ!馬鹿野郎!」

会長は、マネージャーの頬を思いっきり張った。

マネージャーの唇が切れて出血した。


会長を乗せた黒ベンツは、マネージャーの運転でコンサート会場に向かった。

会長の手には、スタンガンが握られている。


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