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麦わら帽子

一編

●麦わら帽子●


バスに乗っていたら

変なおっちゃんが乗ってきた

手のひらには麦わら帽子を持っている

「あ〜あ 痒いい痒いい」とか言って

自分のワキを掻き始めた

ボリボリボリボリと音をたてて

なにか白い粉のようなモノが

床にこぼれ落ちていく

私は見て見ぬフリをして

笑いをこらえている

心中では「うわ、汚っ」と思っている

次におっちゃんは欠伸をしたと

思っていたら続けてくしゃみをしたと

思っていたら続けて『ぷぅっ』と

オナラをこく三連コンポを仕掛けてきたので

さすがに私も見て見ぬフリはできずに

口から『ぷぅっ』と息を漏らしたら

続けておっちゃんも再び『ぷぅっ』と

オナラをこいたと思っていたら続けて

『ばふんっ』とオナラを爆発させるという強行に出てきて

さすがに私も再び見て見ぬフリはできずに

口から『ぶ〜っ』と息を漏らしたら

続けておっちゃんも再び『ばふんっ』と

オナラをこいたと思っていたら続けて

『ぶ〜っ』とオナラをこいたと

思っていたら続けて再び『ぶ〜っ』と

オナラをこいたと思っていたら続けて

『ぶ〜っぶっぶっぶ〜っ』とオナラをこいたので

さすがに私も三度目は吹かないと決意していたが

それも空しく『ぶっはあっっ』と息を漏らしてしまい

その息がおっちゃんのチリチリ頭にかかり

髪は散りぢりになってしまい

手のひらの麦わら帽子に掛かり

おっちゃんは

私を『ギロッ』と睨みながら麦わら帽子を

ブーメランのように投げてきたので

おっちゃんの懐に潜って

ソレを回避してから

おっちゃんの鼻の穴に指を突っ込んで

天井に向かって高らかに投げつけたら

指が鼻の穴から抜けずに

おっちゃんとともに天井を突き破って

空高くへと飛んでいった


バスの中には待ち人が一人

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