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風を求めよ

三編

●自転車に乗って●


ギラッギラに輝く太陽が

俺のカラダの穴を大きくして

水を垂れ流していく


「あっつ! マジであっつ」


ペダルを踏んで

前に進んだとしても

風も俺には絡んでくれない


「あああやっべえ、足マジ痛い」


土の道は俺を拒んでいるのに

足下だけはすくおうとする

自転車だけは壊しておくと言う


「あああ土うぜえぇええええ」


セミは鳴き止まない

夏の呼吸を代用かのごとき

暑苦しく 涼やかな鳴き声


『みぃいいいいいいいいん。みぃいいいいいいいいん』


「あああ黙れよセミ黙れって」


ついでのオマケのように

そのとなりか周辺に

涼やかで涼やかな鳴き声が

コオロギの鳴き声が聞こえてきた


『リーンリーンリーンリーンリーンリーン』


「あああなんかいつの間にか夜になってる」


過ぎていく時間のなかで

暑さはゆるまっても

まだ見えない目的地は

暗闇のなかで埋まっていくだけ


「あああ自転車にライトが点いた」


いつの間にか坂道に着いていて

その暗い坂道を登って

自転車を押して進んで

クライマックス


「あああだりぃ…だりぃ…けど」



●風鈴●


濁りを入れない鮮やかさが

風を絡めてつかんでくれる

久しぶりに足は浮いた

これを揺らせば音も来る

いつもはどこか暗いところにいるけど

今日は生きさせてくれ

涼しい風を昇華させて

涼しい音をあげるから



●走れ●


ぐんぐん前へ

びゅんびゅん走れ


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