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夏の今日

一編

●汗だく●


照り輝く太陽が 空気を熱くして

体温に熱気をプラスしていく

少しでもこの暑さから逃れようと

下敷きを片手に イスにだらけて座ってみる

少しだけ マシになる

教室での授業なら なんとかなる


しかし

一番に厄介な授業は体育だ

風通しの悪い体育館のなかで

バレーボールを弾きながら 声を上げる

サーブでは カラダ全体が燃えるように熱くなる

全身から 汗を吹き出し それを止めることもできはしない

額から流れた汗の粒が

まぶたを伝い 頬を伝い 唇を伝い あごに行き着き落ちていく

ポタッ…と良い音をたてる

サーブ以外のときは ボールが来にくい場所で待機する

体力的なものはまだ余裕があるが

これ以上 このじめじめとした いやらしい液体を出したくない

心からそう思い そこまでバレーが好きではないカラダを引かせた


サーブの余韻が残ったカラダ

汗にまみれて 濡れきったカラダ

こんなときに限ってタオルを忘れる自分に 多少の苛立ちを抱えながら

体操服を下に 白い夏の制服を着る

制服に締め付けられた体操服

それがカラダを締め付けて

汗がカラダを蝕んでいく

汗独特のキツい臭いに背を向けて

地獄 英語の授業にこの身を捧げた


全開の窓から吹き抜ける風が

染み付いた汗に安らぎを与え

「熱い」を消し去り「冷たい」を生み出す

それでも

額からは 汗が流れて机に落ちる


今日もまた 一段と暑い日が続くと

心のなかで ため息をついた

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