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畳で寝てるキミ

一編

●畳で寝てるキミ●


無防備すぎて 本当に

びっくりしてたんだ


右手には開いたまんまのマンガ本に

口からはよだれを垂らしてて

短パンにシャツでへそを出してて

小麦色の肌が覗いてる


「そんなとこで寝ちゃ風邪ひくよ」と

言って起こしにキミんとこへ行ったら

幸せパワー全開の笑顔で寝てたから

起こしづらく思ったよ だから

手元にある 乾かし終えた

キミのバスタオルを

キミのお腹まわりに掛けておいた

「おやすみなさい」と

キミのおでこに軽くキスをした



     zzZ…



いつのまにか起きてたキミは

台所で

パックのまま 牛乳を飲んでた

「残り少ないからパックで飲んでる」と

笑いながら牛乳を飲んでた


キミは

残量が少なくなったパックのお尻を

ポンポンと叩いて

二三滴の白い雫を口の中へと垂らした

もう何もそれから得られないと知り

牛乳パックに水を注ぎ

ジャパジャパと上下に振り

パックをひっくり返して

中から白い水を流した そして

ゴミ箱の横らへんに放り投げた

最後はいつも荒いよね


「おはよう」と

キミが腕を前に突き出しながら言う

手のひらはパーだ だから

「おはよう」と

返事をして

キミの前に腕を突き出した

手のひらはチョキ そして

「時間的には遅いけど」と

付け加えたら キミは

「気にしない、気にしない」と

舌を出して言った

そのとき初めて

真正面からキミの顔を見た


思わず笑ってしまった

だってさ キミの右頬に

畳の跡が出来てんだもん

もお 面白過ぎるから

絶対教えないことにした


「じゃあ、ゴハン食べようか」

「おお、今日はナニ?」

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