大雨の鼓動
二編
●雨が作ったカーペット●
雨は地面に
水たまりカーペットを敷いた
きっとそれには 何者も座らない
自ら濡れようとする奇妙な者は
そうはいないから
だが 踏みつける者は存在する
タイヤは一瞬でグチャグチャに踏み潰していく
小学生くらいの子供が 長靴を通して踏みつけてハシャぐ
カエルがピョンピョン跳ねたり
プールにして遊びに来たりもする
連日の雨も招いて
また大きく育つ
大規模ならば なおのこと
●大雨の鼓動●
雨は降る
巨大な雨が 散り散りと降り次ぐ
一年に一度は こういう日がある
それには なんの根拠も無いが
私はそう思っている
雨は踊るのだ
それぞれが涙を流すように
激しくも儚い足踏みを披露する
地面の上でも 傘の上でも
地面と向き合って生きなければならない 私にとって
それは 趣味の合わない人からのオススメの品を
無理やり買わされるのと
大差の無い 苦痛だ
雨は その場所を支配するチカラを持つ
いや 厳密に言えば 人を…かもしれない
彼等が人に傘を持たせ 急かすのだから
彼等がいなければ 傘は存在しなかった
雨はその一粒一粒に
数億のホコリを含んでいる つまり
彼等の存在は 当たり続ければ害となる
しかし 恵みになる可能性もまた 捨てきれない
雨はその一粒一粒に
愛も含んでいる そして
その愛を受けるものもいるから
雨に抱きしめられる者がいた そして
その者の涙を 優しく拭い去る
雨がいた
大きくて 容赦のない
冷たい雨がいた
雨も泣くのだろうか
もし泣いていたら
その涙を受けとめるのは誰?
詩穂さんの作品と若干被ってしまってる作品やけど、俺も大分前から書いてたヤツだから許してくれ…。