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先読み

一編

●先読み●


ある図書館で。

私は、ある一冊の本を見つけた。

題名は[割と変わった本]だ。

察するに、ファンタジーものである。なんとなくそう思う。


ページをめくる。

これはプロローグだ。

軽い説明でつづられた…意味も分からない単語。

それらが頭の上を、ズシッと踏みつけていく。


始まりは、主人公がベッドの中で、重要度の高い夢を観て、目覚めるという、

あまりに使い古された設定から始まる。


そこから適当にパラパラとページをめくっていくのだが、

不思議なことに、何故か先が分かってしまうのだ。


ここでドラゴンが出てきて、

ここでヒロインが出てきて、

ここでライバルが出てきて、

ここでライオンが出てきて、

ここで妖精さんが出てきて、

ここで増田さんが出てきて…


どうなっているんだ。先が分かりまくりじゃないか。

思わず自分に超能力やら未来予知やら先読みやらウンタラカンターラのチカラがついたと思ってしまうじゃないかというかホントにそうなのかもしや!?


と思って、表紙を改めてよく見たら、一度見たことがあるものだった。

ちぇ、と思いながら、机に軽く本を投げると、館長さんがカウンターの机から華麗に飛び越えて、

俺の頬に向かって飛び膝蹴りをごはぁ( □)° °


「なにすんだ、このクソ」

「本を粗末に扱ったらダメだってば。ダメだってばぁ」

「なんだと、このクソ」

パンチ、パンチ、パンチ。パンチの雨あられを館長さんに降り注ぐ私。


ひゅんひゅんひゅんひゅんっ


全部かわされた。なんてこった。

どうなってんだ。


「教えてやろう、市民A。私には先読みの力があるのだ」

「な、なんだってぇ」


そりゃあ、すごい。すっごいなぁ。

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