黒フクロウと銃の人
二編
●黒フクロウ●
目を離さずに
キミを見つめる
朝のここにいる アナタを知らない
続く音色 時をただ知るそこの音色
鼓動は届くハズも無く
痛みを知って ただ
立ち上がるだけ
フクロウは鳴く
静かな記憶の木の上で
つぶらな瞳 落ちはしない灰色
翼を広げて 待ち構える思いを
肌の色はますます孤独に黒
こく こく しろ くろ ブラック
くろ くろ しろ
はがれていく 今日もまだ
メッキは剥がれず隠し通す
目を離さずに
キミを見つめる
水につかる 花束を知らない
朝を作る ニワトリの鳴き声
連なる光浴びて 目覚めるキミ
首を細くして 今は逃げ腰フクロウ
フクロウは鳴く
ただ青黒い この空の下
狙い続けてる 残骸とその他
夢を見続ける
黒い光を見つめる この瞳で
待ち構える キミと
キミと キミと キミと キミと
はがれていくコケ
そのうえに黒フクロウ
●銃●
銃は そのカラダを撃つため
そのために存在している
それをカラダに埋め込まれ
人を殺し続けたのが彼
初めはそのチカラ
愛するものを守るためにあった
しかし 男は取り憑かれたのだ
その死の種に
一日一日確実に
百人以上を殺して
彼はやっとの思いで
生き長らえる
それを何度も繰り返す
毎晩毎晩 風穴の空いた
廃墟のなかで
息を枯らし
体躯を丸めて
眠りにつく
そして 夢のなかで
血まみれの腕に抱かれるのだ