ある学生の友達
二編
●コインのように●
アイツさー マジムカつかねー?
あ− 思う 思う
つーかさ アイツ顔マジきもいし
話しも合わんしなあ
そもそも空気読めんのよ アイツ
あ〜 この前とかマジヒデかったよな
あー あん時だろ あれマジで無い
あ ちょっとダレかトイレ行かねー?
あ〜 パス
パス
わりぃな
ダレも行かねーの?
…しゃあないな〜
そして 彼はトイレに行った
そして 帰ってきた 教室の前までに
ハンカチを取り出し 適当に手を拭いて
それをポケットの中に戻そうとした時
ポケットの中の コインは落ちた
「ちゃりーん」と音は廊下に響いた
やべえやべえと それを取りに急ぐ彼
その時だ
教室内にいた 彼の友の間で
彼のことが話題に上がったのは
○○もさ 空気読めんよなあ
アイツもさ 人のこと言えねーんだよ
つーかさ 声キモくね?
声どころじゃなくね?
あと なんかうぜーよな
あ〜 思う思う
絡みづれぇよ マジ
彼は その教室に入った
おう 遅かったじゃん○○
あ〜 わりぃわりぃ
コインは再び表を向く
●指切り●
約束をするときに 指を切るという
それを破るとき
針千本を飲ませるという
約束をするときには
それほどの覚悟をしないといけない
なぜなら それを必ず成し遂げると
そう言うこととなんら変わらないからだ
“成し遂げる”とは
“そのとおりにする”ということ
“必ず”とは
“確実に”ということ
生半可な気持ちでそれを破ることは
その約束をした人を
バカにすることと変わらないのだろう