表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/300

花びらを持たぬ花

二編

●造花のように●


水は要らない それは造花だから

潤いもなく 枯れることもない

永遠の華 永遠の華

永遠の華 永遠の華


それでも

糸はほつれる 色は堕ちる

見栄えは悪くなっていく

その花びらは 鮮やかな黄色だったけど

今じゃ そんなにも色が堕ちて

白と黄色の

まだら模様を浮かべているけど

愛着は 消えていくよ


土は要らない それは造花だから

潤いもなく 枯れることもない

永遠の華 永遠の華

永遠の華 永遠の華



水をくれても カビするだけだよ

土をくれても カビするだけだよ

ほつれた糸を直してくれても

色が戻ることはないから

花びらはいつまでも まだらだから


何も要らない それは造花だから

潤いもなく 枯れることもない

永遠の華 永遠の華

永遠の華 永遠の華


永遠の華…



だから 棄てて……





●雑草のように●


踏まれていく花

踏まれ続ける

雑草のように いや

雑草だから


人目に映らぬ程の

可憐さ ならば

それはもはや

雑草なのだ

太陽を諦めた

雑草なのだ


しかし

私はそれでも構わんよ


生きる為にしがみつく

踏まれて なおも立ち上がる

弱ることもなく いや

更に前に 足を踏み出す

…美しい


その生[せい]への執着

生きる為に あえて陰の下で生きる

ただただ 生きる為だけに

美しいではないか

気高く 美しい

それも 外に見える美しさではない

花びらを持たぬ花

だからこそ

根が映[は]えるのだ


美しさには 意味がある

意味があるから 美しい

彼らの姿には意味がある

だからこそ 美しいのだ


目立たずとも 気高く美しい者

そう 彼らは




陰の花

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ