金網三番地
●金網●
軋む金網に寄りかかる
金網はきしきしと軋んだ
これに自分を押し付けても
これに向かって猛進しても
俺はバラバラのグチャグチャになることはできない
それだけの強さを
金網はちゃんと持っている
こんな細身のヤツらなのにだ
必死に重なり合って生きているのだ
しかしこの中の誰かが逃げ出したりすれば
そいつの逃げ出したとこが穴になって
広がって
大きな逃げ道になってしまうのだ
俺はそれを知っている
ここが屋上じゃなくても
そのあとに起こる惨劇も知っている
●金網にスライム●
スライムを三角のおにぎりみたいな形にする
金網に投げつける
ボロボロになった
もっとヌメヌメした状態で
金網に濃厚に絡み付くのかと思っていたよ
おにぎりを投げつける
金網に濃厚に絡みついた
なぜだなぜだなぜなんだ
もち米なのがいけなかったのか
「ならば俺だってもち米だ!!」
そう言いながら金網に向かって
北斗百裂拳!!
ほぁあああほあほあほぁあああほあほあ
金網がコナゴーナ!
腕はボロボーロ!!
大きな穴ができたふむふむ良い感じだ
せっかくできた穴に入らないなんて
ナンセンスだぜ!
助走!
ダダダダーン! ダダダダーン!
ズダダダダダダーン!!
穴 俺←←←
「とぉおおおおおおおおおおおおおおおう!!」
ぎゅるるるんぎゅるるるん!
俺←←←穴←←←
エンジンぜんかぃいいいいい!
今なら何もかも抱きしめられる!!