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爪先立ち

●爪先立ち●


コツ、コツ、コツ、コツ。

靴の爪先を地面に突きつけると

指が振動する

足の指が少し震える

指をムリヤリ折り曲げて

ポキッポキッと鳴り響く

眉間にシワを寄せている

もっと良い音が出したい

しかしもう

ポキッポキッと鳴る足の指が無い

爪先をグリグリと回す

ストレッチみたいに

足全体が寒さでこわばる

ぶるぶるぶるぶる

歯はガチガチと音が鳴る


爪先立ちをするとき

この指は折れるかもしれないと思う

この小さな指にどうして

全体重を乗せられる?

まず不可能だ理解不能だ

理解は不能だが不可能ではない

それをやれる奴が確かにいるからだ

もしくはいたからだ

ああ信じられない

なんでこんなことができる

全体重を乗せることで指が粉微塵になりそうだとか

そういう考えは出来ないのか

俺がおかしいわけでは無いだろう

俺は至って普通だ

足の指裏アイラブユー


だから私は爪先立ちが怖いんだ

爪先立ちなんて爪先立ちなんてああ爪先立ちなんて

ビックリするほど指を信じよう

信じる力は足の指を救うのだ

ファイト俺ファイト俺

俺ファイト俺ファイト

サァー、行こうか

ファイト俺ファイト俺

俺ファイト俺ファイト


出来ない。出来なかった。

なんてことだ

足の指がスゴくズキズキ言う

「ズキズキズキズキ、はあ、ズキズキズキズキ」

爪先立ちを舐めてたよ

だから足の指がスゴくズキズキ言うんだ

「ズキズキズキズキ、はあ、ズキズキズキズキ」

もうここでヤメテおこう

もうコリゴリだ

ギブアップだ

はあギブアップ

ギブアップ


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